運営初期に行なっておくべきこと

 ここでは、約4年の運営を経て、『初期にこうしておけばよかった』や『先に決めておいてよかった』などの気付いたことを纏めています。

0.就任前

本丸パターンの決定

 本丸には4つの建築様式が用意されています。

 ①寝殿造:当本丸がこれに当たります。平安生まれの刀剣たちには馴染みが深く、歌仙兼定などの拘りの強い刀剣にも評判は悪くありません。基本的に全て平屋、且つ天井が高いので敷地面積は広大になります。なお、寝殿造の板張り、半蔀や塗籠といったものは基本的に寝殿のみで、他の対屋の個室は普通の和風建築(畳に襖、障子)となります。

 ②武家屋敷:ほとんどの刀剣男士に馴染みが深い建築様式。審神者にとっても和風建築として寝殿造や城郭よりも馴染みがあります。2階建てまで可能なので、敷地面積は単純に考えて寝殿造の半分程度になります。

 ③城郭:姫路城を模した天守閣を中心にした殿様の刀たちには馴染みの深い建築様式です。政庁エリアである天守閣、生活エリアである本丸御殿と二の丸・三の丸と別れており、毎日天守閣へ出勤する必要があるので、結構面倒らしいです(城郭パターンを選んだ某先輩談)。また生活エリアが3か所に分かれていてそれぞれ独立しているため、他の建築様式に比べコミュニケーションが取りにくいという欠点もあるようです。

 ④学生寮:1年前に実装された新たな建築様式です。鉄筋コンクリートの3階建て以上の現代マンション風の建物になり、全てが1棟で済むシンプルなものです。1階に厨房・食堂・浴室があり、2階に軍議の間(会議室形式)と執務室、3階以上が生活エリアとなります。審神者には馴染みのある建築様式ですが、①~③に比べると1室が完全独立の密閉空間であることから刀剣男士には戸惑いが多いそうです。なお、このパターンだと道場が体育館のようになっているそうです。

 この4つの中から審神者が自分の好みのものを選びます。まだ初期刀配布前に決めるので、独断でOK。パターン変更は費用が必要ですが可能です。

初期刀選定

 直感で選びましょう。新選組が好きだから加州清光、坂本龍馬が好きだから陸奥守吉行、といった選び方でも問題はありませんし、ビジュアルが好みでも問題はありません。

 ただ、初期刀5振を前にすると、事前に決めていた刀剣ではない刀剣に心惹かれることもあります。その場合はその場で心惹かれた刀剣を選ぶのがベストです。

 というのも、既に初期刀は分霊が宿っています。その為、最もその審神者に相性のいい刀剣男士が自分をアピールしています。それが『心惹かれる』という状態として審神者に表れるのです。

 初期刀の顕現は本丸ではなく歴史保全省省内で行われます。これにも理由があります。本丸での顕現は本丸の補助術式によって霊力の消費が抑えられています。けれど、初期刀の顕現はその補助がないため、より多くの霊力を必要とします。初期刀は審神者の最初の刀剣であり、本丸運営のパートナーとなる存在です。より審神者に近く、審神者に寄り添えるように多くの霊力を注いで顕現するようになっています。

1.本丸着任

 本丸に着任すると直ぐにこんのすけが出迎え、直ぐにチュートリアル戦闘へと移行しようとします。ぶっちゃけ、ちょと待てやゴラァという感じです。いきなり前線基地に到着して何の説明もなく早速業務っておかしいでしょう。

 なので、先ずは本丸設備の確認をしましょう。チュートリアルのことも鑑み、執務室と広間と手入部屋の位置関係は把握しておきましょう。このときに初期刀の部屋も決めてしまうといいかもしれません。

 一通り本丸設備の確認が出来たら時間によっては昼食もいいかもしれません。刀剣男士は『人としての生活知識』はありますので、普通に箸も使えます。ただ、『人としての生活知識』はあっても、自分たちがそれを行なうという意識は低いです。なので、真っ先に初期刀に食事(それはなくともお茶休憩)することによって、初期刀が『自分たちも人としての生活をするのだ』と認識し、後が楽になります。なお、私はそれをしなかったため、歌仙たちは1日の出陣が終わり入浴を勧められるまで自分たちにも生活があるのだという認識がなかったそうです。ついでに私が昼食を摂るのを忘れていたことで初日顕現組は『自分たちの認識がなかったために主にひもじい思いをさせてしまった』と悔やんだそうです。ごめんんんんんん。

 それらが済んだら、漸くチュートリアルです。この戦闘は刀装も持たせられませんし、初期刀の単騎出陣です。必ず敗北します。初期刀は必ず中傷以上を負い真剣必殺を発動します。これらは全て政府のプログラムによって定められています。維新の記憶の函館への出陣ですが、もしかしたらこの戦場は仮想空間かもしれません(理由としてはチュートリアルとはいえ本物の戦場に出陣しているのであれば戦績に敗北1が付くはず。それが付きません)。

 初期刀が傷を負って帰ってきたら手入のチュートリアルです。初期刀の重傷姿に動揺するなとは言いませんが、泣くことだけは避けてください。ここは職場です。そしてあなたは上司です。部下の前で泣くなんてこと、社会人としては有り得ません。泣くのは刀剣男士の目のないところで。

 手入のチュートリアルの後は鍛刀です。ここで初鍛刀となります。資材はALL50ですので、短刀確定です。これは懐刀を最初に生み出すためです。懐刀は最後の守りとなる刀剣です。その為、初期刀と同様により多くの審神者の霊力を与えておくべき刀剣です。初めての鍛刀であれば、その分加減が判らずに審神者もより多くの霊力を鍛冶式神に渡す傾向があります。

 初鍛刀が終われば最後のチュートリアルである刀装作成です。刀剣男士の錬度が低いうちは並刀装ばかりになります。銀が出来ればラッキーという程度だと思っておいてください。そのうち特上刀装キャンペーンとかありますので、金刀装はそこで大量にストックしておけばいいです。また、初期の戦場は敵が刀装を持っていないので、並刀装でも十分ですし、敵が刀装を持ち始めるころには銀刀装もそれなりに作れるようになっています。

 刀装作りが終われば、チュートリアルは終わりです。その後は自由ですが、更に鍛刀してもよし、出陣してもよし、話し合いをしてもよし。

 当本丸の場合は短刀レシピで2鍛刀(日課任務達成のため)している間に初期刀と初鍛刀で出陣。持ち帰ったドロップと鍛刀した2振の合計3振を顕現して更に出陣、途中1振ドロップし、全6振で夕食準備を始める時間になるまで出陣しまくりました。

 その後、入浴・食事を経て、運営方針についての話し合い、自由時間、就寝という流れでした。

2.話し合いの勧め

 本格的な運営を始める前に幾つか本丸の方針やルールを決めておくほうがスムーズにいきます。勿論、話し合いをせずに審神者の方針として打ち出すのもOKですが、刀剣男士の価値観は人間のものとは大きく異なっていることもあるので、話し合うほうが後々揉めることもなくてよいと思われます。 

 話し合ったほうがいいと思われるのは ①撤退のタイミング ②手伝い札の使用ルール ③育成方針 ④内番の回し方 ⑤本丸内家政の回し方 です。

 当本丸では①以外は話し合っておらず、流れに任せた部分もあり、先に方針を示しておいたほうがスムーズだったと反省しています。

①撤退のタイミング

 これは必ず最低限話し合っておくべきです。刀剣男士と人間である審神者の戦いや傷に対する認識の違いは思っている以上に大きいものです。

 人間からすれば、刀剣男士の軽傷は十分重傷です。重傷なんて瀕死の状態と思っても当然なほどです。けれど、刀剣男士は中傷でも多少の動き辛さはあれどケロリとしています。軽傷なんて精々私たち人間が指先を切った程度でしかありません。流石に重傷だとかなり辛そうにはなりますが。なので、中傷までの撤退を刀剣男士は好みません。ましてや軽傷や軽傷未満の刀装減りでの撤退は刀剣男士の欲求不満しか生みません。

 ただ、中傷未満での撤退も審神者の心理負担以外にメリットもあります。比較的軽い傷の状態での手入れになるので資材は少なくて済みますし、手入れ時間も短いです。その分回数は多くなるのでトータルの資材消費量や手入れ時間は同じかもしれませんが、一度に掛かる時間が短ければ手伝い札を使わなくても済むので運営費的にも助かります。

 そういった理(および利)の面、人間の認識、刀剣の認識を話し合い擦り合わせて、互いが納得できる撤退タイミングを決めましょう。

 初期に顕現した刀剣がそれに納得していれば、後から顕現した刀剣が不満を持ってもきちんと納得させてくれます。

②手伝い札の使用ルール

 手伝い札は鍛刀と手入れに使用できます。入手方法は任務達成報酬、遠征大成功報酬、万屋での購入となります。

 日課任務を全部クリアすれば、1日に4枚の手伝い札が入手できます。鍛刀3回全てに手伝い札を使っても1枚は貯蓄することが出来ます。

 なので、どのように手伝い札を使うかはその審神者、本丸次第です。けれど、無計画に使ってしまってはいざというときに手伝い札がないなんてことになります。なので、毎日最低6枚は手伝い札を確保しておくほうが無難です。(一度に7振以上が重傷になることはありませんから)

 手伝い札をいざというときのためにストックしておくためにも、手伝い札はどんな時に使うのかを決めておきましょう。

 例えば、基本的に手入れにしか使わない、鍛刀で使うのはストックが〇枚以上あって鍛刀時間〇時間以上、手入れ時間〇時間以上の場合は使う、などです。

 正直、これは初期に決めていても後から博多藤四郎が来て異議を唱えることもあると思います。でもそこは『うちの本丸はこういう方針です!』でスルーしましょう。

 博多藤四郎はかなりの倹約家ではありますが通常は『使うべき時には使う』を知っています。ですが、稀に亜種博多藤四郎がいます。倹約家ではなく吝嗇な博多藤四郎もいるそうですので、そこは確りと自本丸の方針を理解させましょう。尤も吝嗇博多藤四郎の主はそれに輪をかけて吝嗇らしいですが。

③育成方針

 どういった順番で育成していくのか、そもそも入手即顕現するのか、これを先に決めておきましょう。これは話し合いが必須というわけではありません。審神者自身で考え、決めて、そのうえで『当本丸ではこれこれこういう理由でこういう育成方針を取る』と説明するだけで十分です。

 但し、どのような育成方針であれ、この説明が不十分で刀剣男士が納得していなければ不満が生まれます。なので、必ず顕現した刀剣男士には方針を説明し、納得してもらいましょう。納得しないのであれば、本霊に還ってもらいましょう。刀解するなんて酷いと思うかもしれませんが、運営方針に納得せず従わない刀剣男士は不和の種となりますし、当刃も納得できない戦い方を強いられるのは苦痛でしょう。それよりは本霊に還って納得できる本丸に新たに下りるほうが刀剣のためです。

 当本丸でもこの『納得できない場合は還ってもらう』方針を取っています。幸い今までのところ還った刀剣男士はいません。実はこの方針は刀剣男士から提案されました。それも複数。特に刀剣意識の強い同田貫正国や御手杵に限らず複数から、でした。こちらの都合で還ってもらうことに躊躇いはありましたが、刀剣男士が納得できない環境で使われるのも苦痛だと言われれば尤もだと思い、この方針としています。

④内番の回し方

 内番は飽くまでも任務ですので、誰かに偏るのはよろしくありません。内番に任命すると文句を言う刀剣男士もいますが、実は本刃たちも『これは自分たちのためになることだ』と判っています。なので、誰が何といおうが平等に回しましょう。但し、それは内番で上げられるステータスが上限に達するまで。上限に達した刀剣男士はその内番からは外して問題ありません。寧ろ外してまだ上限になっていない刀剣を優先的に回しましょう。

 中には内番が好きな刀剣男士もいます。鯰尾藤四郎や骨喰藤四郎、沖田組、大倶利伽羅は馬当番を好みますし、燭台切光忠や太鼓鐘貞宗、江雪左文字、小夜左文字、五虎退や秋田藤四郎、極の歌仙兼定は畑当番を好みます。能力値上限でその内番が必要な男士がいなくなればその内番を好むもので回せばいいでしょう。

 但し、そうすると一部の刀剣に負担が大きくなりますから、そこは要注意です。当本丸では錬度上限に達していれば出陣を少なくしてその分内番専任になっても良いということにしています。(江雪左文字がその代表です)

⑤本丸内家政の回し方

 刀剣男士も家事を行なうことが大前提です。

 基本的にどこの本丸でも刀剣男士の家事分担は当番制です。この当番制を全刀剣全部の家事を当番で持ちまわるのか、炊事・洗濯・掃除と分けて当番制にするのかといった違いがあります。

 本当は全刀剣が全部の家事を行なうほうが良いのだと思います。不測の事態に備えて全員が料理も洗濯も掃除も出来たほうがいいですし。但し、人間と同じで好む好まない、得意不得意があります。なので、そこは刀剣男士たちと話し合って、どんな当番制にするのかを決め、1日交替なのか数日おきの交代なのかなど、ルールを決めましょう。

 なお、当本丸は厨房班・洗濯班・掃除班に分かれ、審神者も厨房班に属しています。厨房班は曜日と各食ごとに当番を組み、洗濯・掃除班は曜日で当番を決めています。

3.本丸施設のカスタマイズ

 本丸設備のところに参考程度にほぼ初期状態の本丸と現在の見取り図を上げています。

 デフォルト状態のままでもそのまま生活するのには不便はありません。ただ、いくつか初期からカスタマイズしておけば便利というものはありますので、一例として挙げておきます。

 ①審神者執務室の洋室化。デフォルトは和室です。刀剣男士にも和室のほうが馴染み深いのでそのままでもいいのですが、審神者はぶっちゃけデスクワークです。業務時間の殆どはデスクワークでパソコンにかじりついていることになります。和室でデスクワークとなると基本は正座になります。男性は胡坐でも許容されるでしょうが、女性の場合、一部刀剣が眉を顰めます。雅とか真作とか世界一可愛いとか乱れちゃうとかかっこよくありたいのとか。なので、洋室に変更し、椅子をそれなりによいもの(長時間座っても腰に負担のないものがサニゾンで数多く取り扱われています)にしておいたほうが良いでしょう。当本丸は初日に洋室化→近侍祐筆常駐となって和室化→本丸リフォーム時に基本洋室の一部畳と変化しています。

 ②手入部屋の拡張。デフォルトの手入部屋は2部屋です。最大4部屋まで増やせるので、初期で余裕のある時に拡張しておきましょう。少なくとも初検非違使遭遇までには拡張しておいたほうが安心です。私は拡張していなかったので、初検非違使(4日目)に全員重傷で帰還してきて慌てて拡張しました。

 ③鍛刀所の拡張。これは鍛刀しまくることを推奨しているわけではありません。デフォルトの鍛刀所は炉が2つで同時鍛刀は2振ですが、炉を1つ増やして3つにしておけば、日課任務の3鍛刀が一度で終わるので効率が良いです。

 ④厨房の拡張。初期状態の厨房は一般的な一戸建てのキッチン程度の広さしかありません。これでは刀剣男士が増えたときに対応が出来ません。なので、刀剣男士がある程度増えたら拡張しておきましょう。この拡張はサニゾンで販売されていますが、購入後政府から助成金が支給されますので実質0円です。厨房を拡張すると大きな食糧庫もセットになっているので非常に便利です。

 なお、現世の創作物ではデフォルトの本丸の厨房が竈だとされているものもありますが、違います。オール電化の最新式システムキッチンです。オール電化なのは厨房の主戦力である燭台切光忠や比較的厨房に入ることの多い薬研藤四郎、宗三左文字などが火にトラウマがあるとされているからだと思われます。

 代表的な先にカスタマイズしておいたほうがいいのは以上の4か所ですが、運営資金に余裕が出たら浴室に露天風呂をつけたり温泉化したり、遊戯室やシアタールームを設けたり、AV機器を揃えたりするのも良いでしょう。当本丸にはゲーム部屋兼シアタールームもありますし、図書室もあります。図書室には刀剣男士共用パソコンも設置しています。

4.通信機器の配布

 当本丸では顕現した初日にタブレット端末もしくはスマホ型端末のどちらかを支給しています。当初は審神者が20世紀出身でスマホに馴染みがなかったためタブレット型を支給していたのですが、本丸内が広くなるにつれて刀剣男士同士が連絡を取り合うのにスマホ型のほうが携帯に便利ということで、選択制になりました。運営2か月目までに顕現した刀剣男士は全員最初にタブレット型を支給しており、その後希望者(全員でしたが)にスマホ型を支給しています。3か月目以降の刀剣男士は選択ですが、どちらも欲しいという場合にはどちらも支給しています。

 これらの通信端末については本丸運営費から購入できます。通信費も無料です。これは本丸の通信費が全て政府持ちなのと同じです。

 審神者の財布に影響はありませんので、積極的に刀剣男士にも通信端末を持たせましょう。全員に持たせるほど運営費に余裕がないのであれば、初期刀・近侍・部隊長・各刀種代表などといった運営の中心となる者に持たせましょう。

 なお、運営費から購入できる端末であるために、タブレットにしてもスマホにしても最低限の機能のみのシンプルなものです。その為、後々刀剣男士が個人の給料から機種変更するケースも多いようです。うちの本丸で支給したものをそのまま使っているのは顕現して半年未満の刀剣男士くらいです。

 担当官と良好な関係が築けていると、いつの間にか刀剣男士と担当官が番号やアドレスを交換しています。担当官と一部刀剣がサニッターの相互フォロアーだと知ったときには驚きました…。