審神者の基本業務

任務

 これに該当するのは『出陣(遠征・演練含む)』と『鍛刀(刀解含む)』『錬結』『刀装』です。それぞれに日課と月課があり、目安となる数値があり、それを達成すると資材や札、小判などの報酬があります。

 全ての任務を毎日毎月達成しなければならないわけではありませんが、達成状況が悪いと査定によって減俸や降格があります。勿論、優秀と認められれば昇給・昇格もあります。

 既に基本については研修所で学んでいると思いますが、詳細については後日詳しく実践編を講義します。

運営

 経費管理や資材管理、報告書作成、日々の生活に関することが運営となります。実際には任務よりもこちらのほうが審神者業務のメインです。こちらを疎かにしていては本丸が成り立ちません。

 こちらについても後日、実践編として当本丸を例に講義を行います。

刀種特徴

 現在参戦してる刀剣男士の刀種は8種類。短刀・脇差・打刀・太刀・大太刀・槍・薙刀・剣です。但し当本丸に剣はいません。

 尚、敵方にはこのほかに苦無と中脇差が確認されています。実は密かに審神者は味方刀剣男士にも手裏剣とか増えてくれないかなと期待しています。

 各刀種によって戦場の向き不向きがありますし、ステータスパラメータの違いがあります。それを把握したうえで部隊編成・戦場選択を行なうことになります。極大雑把な把握としては、夜戦なら短刀・脇差・打刀、室内戦なら短刀、市街戦なら脇差・打刀中心、野戦なら太刀・大太刀・槍・薙刀といったところでしょう。

 研修後半では実際に部隊編成と戦場選択・指揮を実践してもらいますので、そこで学んでいきましょう。(大丈夫! うちは全員カンスト済みだし、全員お守り極装備です)

 審神者に最も関係しそうでいながら、実はあまり深く関わっていないように思える、陰陽術や神道の術について。これは研修所では詳しくは学んでいないと思うので触れておきます。とはいえ、審神者が実際に術を使う場面というのは殆どありません。精々、何かの節目に祝詞を上げるとか、使っても結界術くらいではないでしょうか。

本丸

 本丸には様々な術式が組み込まれており、審神者が着任することによって霊力が流れて術式が起動します。

 代表的な術式は、刀剣男士・本丸・式神(鍛冶・手入の式神)への霊力供給、本丸の結界、浄化術ですね。

 この霊力供給の術式は本丸と式神には着任当初に発動して霊力供給経路を作るものです。なので、以降は術式なしでも霊力は本丸を異動するまで自動的に供給されるようになります。

 刀剣男士への霊力供給も同様に最初の経路を繋ぐだけです。つまり、顕現の術式が霊力供給の術式となるわけです。

 初期刀に関しては本丸の術式を使わないため、他の本丸で顕現する刀剣男士よりもより多くの霊力を注いで顕現することになります。本丸で顕現する場合は術式が霊力供給経路を作ってくれた上で霊力を注ぐので、現身を作り出す霊力だけを注げばいいですが、初期刀の場合は供給経路作りと顕現に霊力を使うため、より多くの霊力を必要とするわけです。

 結界については、本丸に意図して霊力を注げば強化することが可能です。その方法は結界術式講座で学ぶことも出来ます。

 霊力の高い審神者であれば、本丸の要に霊力を注ぐことでも可能です。なお、本丸の要はそれぞれの本丸によって違います。庭の桜の木だったり、榊だったり、真木柱だったり大黒柱だったり、或いは別のアイテムだったりします。それは着任後にこんのすけに確認してください。

 知らなくても特に問題はないですが(本丸建設時に陰陽部の術者が術式を組み込むための要なので、運営には殆ど影響ありません)、何が要かを知っていれば、本丸への霊力供給がスムーズに進みますし、結界術や浄化術など、面倒な術式を覚える手間も減ります。

 浄化術は戦場で遡行軍と戦い穢れを纏ってしまう刀剣男士から穢れを祓い浄化するための術式です。基本的に帰還ゲートとともに発動しますし、風呂もこの術式によって浄化作用があります。何かのトラブルで術式だけでは穢れが浄化しきれないという場合には、上記でも記した要に霊力を注ぐことで強い浄化作用を一時的に与えることが出来ます。

補助術式

霊珠・霊符

 元々は神薦審神者や神道神職系審神者が使っていた術具で、水晶などの半貴石に審神者が霊力を篭めて霊力を外部保存したものが霊珠です。直径1cmほどの半貴石に霊力を篭めたものを霊珠、直径10cmを超える大きな半貴石に霊力を篭めたものを霊宝珠と呼びます。

 霊珠は刀剣男士の生存を5回復させるのに必要な霊力、霊宝珠は大きさにもよりますが、審神者不在でも1年以上本丸と刀剣男士を維持できるほどの霊力を貯めることが出来ます。

 審神者の霊力は睡眠をとることによって全回復しますので、私の場合は1日の終わりに霊力を篭めています。普段は使うことはありませんが、万一審神者が入院などで長期間本丸を不在にする場合に役立ちます。

 霊符は霊珠の元となる半貴石が入手困難(数を揃えるのが大変)な場合に代用できる符です。霊珠に霊力を篭めるのは半貴石に手をかざしてイメージするだけでよいので楽ですが、符の場合は霊力を篭めた水で墨をすり、筆で特殊な書体の文字を書かなければならないので、霊珠に比べると作る手間がかかります。作用は霊珠と同じです。

 これらの術具は歴史保全省が管轄しているわけではなく、審神者の間で情報交換が行われ普及しているものです。元々は数年前の遡行軍審神者会議襲撃戦に備えて、対応する審神者が神薦審神者や神職系審神者から教えられたものでした。現在は宮内庁神祇局に問い合わせれば学ぶことが出来ますし、御神刀に聞いても教えてもらえます。霊符は私も御神刀から教えてもらいました。

手入小妖精

 霊珠・霊符とセットの式神です。手入部屋の式神の機能限定版の式神で、手入部屋以外でも霊珠または霊符を使っての手入が可能となります。但し、式神1体が1振の刀剣男士専属となりますし、1日に4時間以上の活動は出来ません。また、手入をした後の式神には審神者は霊力を補充する必要があります。

 当本丸では全刀剣男士に専属の手入小妖精がついていますが、発動条件は『ボスマス1つ前での重傷』の場合のみです。なお、刀剣男士の中には自分の手入小妖精に名前を付けている者もいて、短刀の肩や頭に妖精が乗っている姿を見るとホンワカと和みます。当本丸の小妖精は各刀剣男士のねんどろいどの姿を取っているから余計に…。

真名

 真名や神隠しについては研修で学んでいるはずなのに誤解している審神者が減らないことから、ここでも改めて説明します。

 まず、審神者は候補生になったときから姓名や住所・家族などの個人情報の一切を隠すように指導されます。政府にもこれらの情報は一切登録されません。これは歴史修正主義者に情報が漏れ、審神者やその身内が危険にさらされることを防ぐためです。

 なのに、この説明を受けているはずなのに、『刀剣男士に名前を言ってはいけないのは神隠しされたり主従逆転されるのを防ぐため』と誤解している審神者が一定数います。

 名前を教えてはいけないのは刀剣男士に対してではなく人間に対してです。刀剣男士だから言ってはいけないというわけではありません。誰であっても言ってはいけないのです。

 ぶっちゃけると、本丸の外に一切出ないのであれば、人間と全く交流しないのであれば、刀剣男士に名前を教えても問題ありません。でも、演練や万屋、会議に日々の担当との連絡とありますから、人間と交流しないことは不可能です。刀剣男士に名前を教えて日常的にその名を呼ばれていれば、何かの拍子に人間に名前が知られてしまう可能性があります。なので、刀剣男士を含め、一切名前を教えてはいけないということになっているのです。そして、生命に関わる最重要の守秘義務を守れない者に、他の秘密が守れるとは思えません。なので、名前を教えた段階で審神者は懲戒免職となります。

 なお、真名=名前と勘違いしている者も少なくありません。真名は魂の名です。魂に付けられた名前は余程高位の神職や巫でなければ知りようがありません。一般人には判り様もないのです。恐らくご自身の真名をご存じなのは国家最高司祭である天皇陛下、その妻たる皇后陛下、日嗣の宮である皇太子殿下、天照大御神に仕える伊勢の斎宮くらいでしょう。護歴神社祭主様もご存知かもしれません。

 また、これは皇族である審神者様から伺ったのですが、真名は口に出して発生することが難しいそうです。かの方もご自身の真名をご存じでいらっしゃいますが、ご自身で発音できないと仰っていました。なので真名を見てくださった御父上様は文字で示されたそうですし、その記した紙はその場で燃やしたのだとか。ともあれ、真名は自身で知れたとしても他者に伝えることは困難だそうです。所謂神の言語というものなのかもしれませんね。

 また、真名を取られると魂を握られるという認識に間違いはありません。ですが、殆どの審神者が自分の真名を知りません。更に、刀剣男士は神の分霊ではありますが、著しく神としての力を削がれた存在でもあります。その為、仮に真名を知ったとしても、審神者を従わせるとか、審神者を神隠しするとか、そういったことは出来ないのです。政府と本霊との契約>刀剣男士の神としての力という力関係もあり、仮令刀剣男士が主である審神者の真名を知ったとしても、ただ知っているだけで何かが変わるわけではありません。但し、刀剣男士の存在が歪み、刀剣男士ではないナニカに変質した場合は別です。