第6章 本丸

1.本丸

 各審神者の拠点(通称本丸)は、前線基地であるとともに審神者と刀剣男士の生活空間でもある。現在本丸施設の種類は以下の5種類が存在する。

  • 武家屋敷:近世(江戸時代)の大名家江戸屋敷を基にした刀剣男士に最も馴染み深いと思われる建築様式。母屋と別棟からなり、2階建てまで可能。なお、審神者の居住区は基本的に母屋となる。
  • 城郭:姫路城をモチーフとした平城で天守閣・本丸御殿・二の丸からなる。審神者の居住区は本丸御殿、刀剣男士は二の丸で生活し、天守閣は政務スペースとなる。
  • 寝殿造:平安時代の寝殿造を基にした平安太刀に馴染みの深い建築様式。寝殿・東西北の対屋からなる。場合によっては北西・北東の対屋も設置可能(南の対屋は構造的に設置不可能)。審神者の居住区は寝殿または北の対屋となる。
  • ベルサイユ宮殿風:フランスのベルサイユ宮殿を模した建築様式。庭も当然ながら西洋庭園。徹夜続きでテンションのおかしくなった技術局本丸部職員が勢いで作り上げ実装したもの。
  • 学生寮風:1階に共有スペースを備えたワンルームマンション風の建築様式。5階から10階建ての鉄筋コンクリート造。審神者には一番馴染みやすい。なお、このパターンだと、道場が体育館風になる。

 なお、これらの施設は生活空間であることから、ライフライン(電気・ガス・水道)は完備されており、どこからどうやってそれらを引いているのかとか、水源はどこだとか、発電所はどうしたとか、ガスは都市ガスなのかプロパンなのかとかは考えてはいけない。一応、技術局のトップシークレットである。正直なところ技術局技官以外は説明されても理解不能と思われる。

2.本丸の設備

時間遡行装置

 本丸そのものが時間遡行装置であるため、本丸内にいれば、審神者の端末操作一つで出陣・遠征が可能である。しかしながら、出陣や帰還を判りやすくするため、大手門をゲートとして設定している本丸が多い。その場合、審神者の端末の他、大手門に設置されたタッチパネルからも出陣・遠征先の時代・戦場名を登録することにより出陣出来る。

 なお、刀剣男士とそれに付随するもの(馬)しか時代遡行は出来ない。つまり、人間である審神者は時代遡行が出来ない仕組みになっている。正確にいえば時間遡行は可能ではあるが、有機物が安全に通過できる保証はない。但し、政府は審神者が時間遡行をすることは禁じている。これは『その時代に存在しない人間』が時間遡行をすることによって意図せず歴史改変してしまう可能性をなくすためである。詳しくは『第9章 禁止事項・留意事項』にて。

鍛錬所

 鍛刀し、刀剣男士の依代を作り出す場所。鍛冶の式神がおり、彼らは天目一箇神の眷属である。炉の数はデフォルトで2つだが、最大4つまで増やすことが可能。但し、増設は有料となる。

 審神者執務室とともに本丸の要となる設備で、炉の炎は本丸の浄化システムの一角を担っている。そのため、着任から退任までの間、鍛刀せずとも炉の火は消すことなく灯し続けること(熾火でも可)。

手入部屋

 刀剣男士の手入れを行なう場所。手入れの式神が刀剣の修理を行う。また、この式神も鍛錬所の式神と同じく天目一箇神の眷属である。手入れ個室はデフォルトで2つだが、最大6つまで増やすことが出来る(増設は有料)。

刀装部屋

 刀装を作成・保管する場所。

資材庫

 玉鋼・木炭・冷却材・砥石を保管する場所。所有上限数は審神者の錬度によって異なる。

 内番のための畑。現世の約10分の1程度の時間で作物が育つが、審神者の霊力によっては1日で収穫可能になるケースもある。デフォルトでは救荒作物である甘藷と馬鈴薯を栽培しているが、畑を拡張し他の作物を育てることも可能。

 但し、飽くまでも畑は内番(=刀剣男士の能力向上)のためのものであり、畑によって自給自足を促すものではない。寧ろ、畑は家庭菜園程度の規模に留め、現世の農家保護のため、通信販売・万屋での食料購入を推奨する。

 一部審神者にはDASH本丸などといって自給自足を実施しようとする本丸があるが、そういった本丸は全てがランクZもしくはZZのお荷物本丸であることを自覚せよ。

 以上のことにより、デフォルト状態から畑を拡張するには、必ず申請が必要であり、拡張は有料となる。申請せずに拡張しても作物は育たず、刀剣男士の能力値上昇もない。

 主要任務達成報酬で得られる馬を飼育するための場所。飼育頭数が増えれば自動で拡張される。なお、この馬は正確には動物ではなく式神であるため、実は食料は必要なく排泄もしない。つまり鯰尾藤四郎が投げる馬糞はない。

道場

 刀剣男士が手合わせを行なうための道場。有料オプションでトレーニングルーム、水練場の増設も可能。

 また、優良審神者には希望があれば特殊道場へと改築が可能。特殊道場であれば、タッチパネル操作で戦場設定が出来、野戦・市街戦・室内戦(それぞれ昼戦・夜戦が選択可能)の6パターンの戦闘訓練ができる。刀剣男士同士の対戦(通常の手合わせと同様)の他、擬似遡行軍との戦闘も可能となっている。演練場と同じく、受傷するものの、全ては幻覚であり、対戦が終了すれば対戦前の状態へと戻る。

 この特殊道場は高度な術式を組み込んだ有体に言えば大変高額なシステムのため、優良審神者に認定・表彰された本丸にのみ、褒賞として設置される。昨年まではランクSSの本丸1つしかこの特殊道場は存在しなかったが、今年度は4月の段階で25のSS・S本丸に追加で設置された。

大手門

 本丸と戦場、城下町を繋ぐ門。大手門を城下町と繋ぐ際は4種の審神者の生体認証(虹彩・静脈・声紋・掌紋)が必要となる。

 本丸稼働後、本丸外から開かれるのは、審神者またはこんのすけが許可を出した場合のみであるが、例外として本丸襲撃による特殊部隊・救援本丸による開門と監察局による開門が認められている。

審神者執務室

 審神者業務の為の執務室。デフォルトでは和室で、政府支給の据え置き型パソコン(業務端末)、文机、書架が標準装備されている。なお、洋室への変更は無料で、また本殿内であれば場所を移すことも可能。

 非常時には総合指令所となるため、一瞬で展開できる強力な結界機能を備えているが、これは本丸見取り図で『執務室』と設定されている部屋にしか展開できない。よって、本来の執務室を使用しない場合は守りが薄くなる。模様替えの際は必ず執務室と審神者私室は見取り図の該当する部屋を希望の位置までドラッグ&ドロップすること。

近侍控え室

 近侍である刀剣男士用の個室。デフォルトでは和室で、文机、書架、給湯設備が標準装備されている。なお、この部屋は執務を補佐するための部屋であり、生活スペースではない。

審神者私室

 執務室と扉で繋がっている。デフォルトは和室だが、洋室に無料で変更可能。布団、箪笥、本棚、テレビが標準設置されており、女性審神者の場合は更に鏡台もついている。家具に関しては自身で購入することにより変更も可能。また、ユニットバス・トイレも付属している。なお、審神者の個室は非常事態時のシュルターになるため、強固な結界が初めから施されており、審神者が許可したものしか入ることは出来ない。デフォルトの設定は刀剣男士全員入室可となっている。また、緊急避難用として政府(歴史保全省庁舎)直通の避難口もある。本殿内であれば場所を移すことも可能(必ず執務室と隣り合うことが絶対条件)。

厨房

 最新のシステムキッチンが配備されている。厨房メイン戦力である燭台切光忠をはじめ火にトラウマのある刀剣男士がいるため、オール電化。なお、刀剣男士が20振を超えた時点で申請すればキッチン→調理室並の広さの厨房へと変更することが可能となっている。

 調理式神を使うことは可能だが、出来るだけ審神者が調理を行なうことを推奨する。刀剣男士が増え、審神者のみでは難しい場合は刀剣男士と協力することを推奨しており、調理式神は飽くまでも審神者の体調不良など緊急時対応のみである。なお、本御霊のご好意により、燭台切光忠・歌仙兼定・堀川国広・大倶利伽羅と初期刀の加州清光・蜂須賀虎徹・陸奥守吉行・山姥切国広には調理スキルが高く設定されている。

広間

 デフォルトは80畳の和室だが、洋室にすることも可能。なお、広間を公的な場(出陣指示や本丸運営会議的なもの)とし、普段の生活の集いの間として別に居間を設定することも可能。

 刀剣男士用は馴染みのある和式。審神者の個室には洗浄機能つき便座の洋式トイレが付属している。なお、申請すれば、刀剣男士用も同様のものに変更することが可能。

浴室

 銭湯のような大浴場。40人程度であれば一度に入浴可能。浴槽は夜明け前に自動洗浄・給湯されるが、洗い場や脱衣所は審神者や刀剣男士が掃除をする必要がある。脱衣所には洗面台及び洗濯機置き場が設置されている。また、有料オプションで温泉化、露天風呂・ジャグジー・サウナの設置も可能。

刀剣男士部屋

 一人部屋から複数共同部屋まで自由に変更出来る。デフォルトは6畳の一人用和室。希望によっては洋室へと変更可能で、審神者執務室や審神者私室と同様に審神者業務用タブレットから配置及び間取りの変更が可能となっている。

納屋

 畑に付随する設備。農機具などの保管場所。

離れ

 有料オプションで増設可能。見習い研修生は本殿に住まわせないことを原則とするため、研修生受入本丸については無料で増設される。なお、審神者が離れに住まうことは推奨しない。茶室・祈祷所・神楽殿などを設置可能。

泉殿

 寝殿造本丸限定の有料オプション。茶室・祈祷所・神楽殿を設置可能。

3.本丸のセキュリティ

 八百万の神々の力によって作り出された、どこの時間軸にもどこの地域にも属さない亜空間に本丸は存在する。イメージとしては宇宙に浮かぶカプセルの中にそれぞれの本丸施設があるものと考えると最も近い。それぞれの本丸は独立しており、ゲートを通じて城下町・戦場と繋がっている。現世から切り離された亜空間に存在するのは、審神者をテロリストの襲撃から守るための措置である。

 本丸には標準で宮内庁神祇局陰陽部が施した不認識の結界が張られており、どこからも何物からも存在が認識されないようになっている。また、同様に敵意・害意のあるものを入らせないための結界も展開されている。但し、これらの結界の強度や精度は審神者の霊力に依存するため、審神者は日頃から己の霊力を磨くことを推奨する。

 呪術的要素だけではなく、歴史保全省技術局考案のセキュリティシステムが設置されており、当該本丸の審神者、当該本丸所有の刀剣男士(顕現済みの場合。未顕現の場合は物扱い)以外の人型の生命体が大手門を通過することは出来ない。そのため、他本丸の審神者・刀剣男士が訪れる際には当該本丸の審神者が事前認証しておくことが必要となる。政府職員は政府側システムにて登録されるが、常時登録されているのは担当官及び監察局局員のみで、それ以外の政府職員は必要に応じて1回限りの登録となる。これもまた、無関係の政府職員による干渉を防ぐためである。

 本丸の諸施設・設備は審神者の霊力により機能している。審神者の霊力は本丸に登録されており、登録された霊力でなければ各本丸の設備・施設は正常に機能しない。つまり、仮に歴史修正主義者やその支援者に本丸を奪われたとしても、本丸はその機能を果たさず、政府へと緊急信号が発せられることとなる。

4.本丸のメンテナンス

 年に一度、時間遡行装置、結界、防衛装置のメンテナンスを実施する。その日一日は出陣・遠征は不可(時間遡行装置を調べるため)。メンテナンス日は歴史保全省技術局から事前通達(1か月前)があり、当日は技術局員の他、宮内庁神祇局陰陽部の術者、不正防止のための監察局監査部職員、審神者担当官が同行する。また、同時に審神者・刀剣男士の個人面談が監察部職員によって実施される。これは閉鎖空間で生活する審神者のカウンセリングの側面も持つ。

5.本丸施設の増設

 業務端末内の本丸見取り図に追加・削除・修正を加えることによって、増設したり縮小したり本丸をリフォームすることが可能となる。変更希望の部屋をタップすれば、可能な変更項目(和室⇔洋室、サイズ変更、押し入れ追加削除など)が表示される。配置変更もドラッグ&ドロップすることで一瞬で移動できる。これらの変更は『変更を反映する』をタップした時点で本丸に反映される。

 刀剣男士の部屋の増築(刀剣男士数の増加分)・広間の拡張は無料だが、茶室・祈祷所・神楽殿・泉殿などの離れ屋、遊戯室・図書室などの必須ではない部屋については有料オプションとなる。