第2章 審神者制度

1.関係機関

監督省庁

 審神者は歴史保全省歴史改竄対策局審神者部実働課所属となります。歴史保全省が審神者及びその業務の監督を行ないます。但し、前線指揮官である審神者は本来陸軍特殊部隊の士官(将官・佐官・尉官)であり、軍人です。歴史保全省には出向しているという形式となります。また、刀剣男士という付喪神(分霊)を指揮し、時代遡行軍という異形を相手とすることから宮内庁神祇局及び護歴神社とも連携を取るものとします。

 なお、審神者には実働補助課職員が『担当官』としてつきます。担当官は政府及び歴史保全省と、現代の一般社会(これを現世と呼びます)から隔離されている審神者の連絡役であり相談役です。決して審神者の上司ではなく、また部下や御用聞きでもないことをここに明記しておきます。

監察機関

 健全な本丸運営、審神者業務遂行のため、宮内庁神祇局が適宜審神者及び歴史保全省の監察を行ないます。なお、場合によっては政府そのもの(歴史保全戦争に関する政策)に対しても監察を行なうことが許されています。歴史保全戦争に関する監察に限り、監察機関は政府及びその他一切の機関・団体の意向や制約を受けないものとなっています。

審神者支援システム

こんのすけ
 正式名称は『審神者業務支援管狐』。宮内庁神祇局の術者により使役される管狐で、審神者業務のサポート、緊急時の政府からの連絡伝達を行ないます。また、審神者の精神的慰撫を目的として一般的に愛らしいといわれる容姿に設定されています。稲荷神の特別なご配慮により特に有能な個体を提供していただいているため、それぞれのこんのすけにより性格の個体差があります(能力は全て同等です)。
 なお、こんのすけ・審神者両者が望めば使役者を神祇局術者から審神者に変更することも可能です。変更した後もこんのすけの職能・職権に変更はなく、問題なくサポートを行なうことが出来ます。飽くまでも霊力供給源が神祇局術者か審神者かという程度の違いしかありません。審神者を使役者とする場合、戦争終結後もこんのすけを使役することが出来るようになります。こんのすけの使役者変更手続きについては、各担当官に相談し、申請書を提出してください。
万屋街
 政府が運営する巨大ショッピングモールの総称。外観や雰囲気、内装、従業員の服装は多くの刀剣男士に馴染みがあるであろう江戸時代後期風となっています。24時間営業で食料品、衣類、日用品を取り扱っています。フードコートや飲食店もありますので、休日の息抜きにもご利用いただけます。
 各本丸の大手門から行くことが出来、何処の国の所属であっても同じ場所に繋がります。但し、審神者のみ、刀剣男士のみで行くことは出来ません。必ず審神者と刀剣男士1名以上でなければ大手門は開きません。
 全ての店で支払いは現金ではなく審神者IDによる決済となります。刀剣男士も刀剣男士用決済IDを使用して店舗利用が可能です。また、通信販売も行なっており、本丸の端末から注文することも出来ます。その場合は約30分から1時間で配送されます。
審神者在宅通信による自動決済システム
 歴史保全省総務局が管理運営するインターネット通信販売で、『さにわ通販』『サニゾン』と通称されているものです。万屋で取り扱っていない物(娯楽品・嗜好品・高級品)も取り扱っており、基本的に支払い手続きが済むと同時に商品が手元に届く仕組みとなっています。
 支払いは万屋と同じくIDによる決済のみ。審神者専用端末と刀剣男士用端末からのみアクセス可能です。
 運営に関しては審神者の存在が一般にも周知されていることから民間に任せることも検討されました。民間のほうが手厚いサービスや低価格化が出来るため、一時は民間に任せる方向で準備が進められました。しかしながら、利権が絡むため癒着が生まれかねないこと、更に本丸に送る物資に何かを仕込むことも可能となってしまうことから、民間には任せず、全て歴史保全省が担当することとなりました。
本丸電脳通信システム
 現世でいうところのインターネットに当たります。但し、独自のネットワーク(天津神々の霊力と歴史保全省の呪術)が構築されており、現世からアクセスすることは出来ません。政府から支給された端末・携帯端末のみアクセス可能となっています。
 現世のネットサービスは閲覧のみ可能となっており、情報発信は出来ません。機密保全及び安全対策のため、ご理解をお願いいたします。
 また、現世のご家族やご友人との連絡にメールやビデオチャット通信を使うことは可能です。しかしながら、これも安全と機密保持のため、担当官に申請・審査が必要となります。申請については担当官に相談し、申請書を取り寄せてください。
 なお、審神者同士・審神者と担当官との通信はメール・ビデオチャット通信ともに独自システムを構築しており、申請は不要です。セキュリティも強固で監察部の監視対象外となりますので、プライバシーは守られます。
審神者交流掲示板
 20世紀から21世紀にかけて電脳空間で大きな存在であった2ちゃんねる(巨大掲示板)を模した審神者交流システムです。通称『328(さにわ)ちゃんねる』。管理運営は宮内庁神祇局監察部が行なっています。
 現世から隔離されている審神者の愚痴吐き捨て場として亜空間上のネット空間に設置されています。そのため、現世からの閲覧・書き込みは勿論、本丸設置の端末及び支給された小型端末以外からの閲覧・書き込みも出来ません。常時管理者(神祇局監察部員)がスレッドを巡回していますが、利敵行為に該当する書き込み・スレッドでなければ個人特定はされません。
 類似したものに相談特化の『さにわ知恵袋』もあります。

2.審神者の種類

 審神者とは『眠っている物の想い・心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ者』のことをいい、刀剣男士の依代である模擬刀剣(審神者の霊力で出来た刀剣)に分霊を降ろし、刀剣男士として受肉させる能力のある者のことです。更に、最前線の指揮官として刀剣男士の上官となり、前線基地(通称本丸)を運営する者でもあります。

 審神者にはその出自・能力によって下記4種が存在します。

甲種審神者
審神者制度発足以降の時代より選出された審神者。適性検査で陽性反応が出た者のうち、審神者資格試験に合格し、各種研修をクリアして任官した者。全審神者の約95%。
乙種審神者
審神者制度発足以前の時代より選出された審神者。五神官(今上陛下、伊勢神宮祭主、伊勢斎宮、賀茂斎院、護歴神社祭主)が神託により感知した者を歴史保全省がスカウトし、任官した者。全審神者の約3%。過去出審神者は戦争終結後も生まれ育った時代には帰れないことを説明されたうえで当時代へとお越しいただいていることから、甲種審神者よりも覚悟が定まっている方も多くいらっしゃいます。
神薦審神者
現在の審神者適性検査・審神者資格試験制度成立以前に審神者となった者。天照大神・素戔嗚尊・月読命をはじめとする天津神々の推薦を受けて審神者に就任した、最初期の審神者で16人(全審神者の0.43%)のみ。第一号審神者は今上陛下の第三皇子・守宮邦仁親王。
寺社薦審神者
現在の審神者適性検査・審神者資格試験制度成立以前に審神者となった者。神薦審神者だけでは戦力が足りず、官制社・古刹名刹からの推薦を受けて審神者に就任した者。51人(全審神者の1.4%)

 ※なお、2207年以降は新規の神薦・寺社薦審神者は就任していない。

3.審神者の資格

審神者の能力

 審神者の霊力というと特別な力のように思われますが、実はほぼ全ての日本人がその力を大なり小なり持っています。日本では信じる信じないに個人差はあれど、『付喪神』や『鬼』『怨霊』をはじめとした精霊信仰が国民の精神的基盤に根付いています。そのため、自覚の有無に関わらず民族的な資質として『眠れる器物の心・想いを目覚めさせる能力』は持っているのです。しかし、この戦いにおける必要能力『自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ者』となると、そこまで多くはありません。つまり、日本国民の殆どが持つ力の中で特に強い力を持つ者が『審神者の霊力』を持つとされているのです。

 また、霊力の他、祝詞・呪符による結界術、ごく一般的な一人暮らしが出来る程度の家事能力、一般の事務職が勤まる程度のパソコンスキル・文書作成能力、史学に基づく指揮能力が最低限必要とされる審神者の能力となります。霊力があれば誰でもなれるというわけではありません。本丸を管理運営するために一般社会で会社員が務まる程度の能力は必要なのです。当然、刀剣男士と共同生活をするため、あるいは審神者同士の交流や担当官との交流もあるため、ある程度の対人対応能力も求められます。現世の創作物にあるような『コミュ障のニート』では適性検査が陽性でも審神者資格試験には合格出来ません。

 霊力には個人によって上限があります。ロールプレイングゲームのHPやMP、SPのようなものとお考えいただくと判りやすいかと思います。この霊力は刀剣男士の肉体の維持・鍛刀・顕現・手入れ・刀装作成・本丸の浄化及び維持に使われます。使用した霊力は徐々に自然回復します。通常の本丸運営であれば霊力が枯渇することはありませんし、一晩眠れば全快しています。

 58振(2216年時点での全刀剣数)の刀剣の肉体を維持し、プラス太刀6振の重傷連続手入れを行なっても枯渇しない霊力を持っていることが審神者になるための霊力に関する最低ラインの条件となっています。そのため、これも現世の創作物にあるような『霊力が少なくて本丸が維持出来ない・鍛刀出来ない・顕現出来ない』ということは有り得ません。

審神者適性検査

 中学卒業以上の日本国籍を有する者全てが年に一度の健康診断の際に受けるものとなります。年に一度の政府によって行なわれる健康診断は15歳以上(中学卒業以上)の国民は全て受ける義務があります。高校生・大学生・専門学校生は毎年4月に校内で実施され、学生以外の国民は各地方自治体が年に3回実施している診断を最低1回受けることになります。この健康診断に審神者適性検査も含まれています。

 この検査で陽性反応があった者に対して、歴史保全省から健康診断から2週間ほどで『審神者資格試験受験案内』が送付されます。なお、通知があったからといって必ず受験しなければならないわけではありません。また、受験案内が届いたからといって直近の資格試験を受験しなければいけないわけでもありません。受験案内が届いてから1年以内であればどの回の受験でも可能です。

 審神者資格試験の受験は本人の意思に任されており、受験しなかったからといって不利益になることはありません。毎年受験案内が届くケース(陽性反応が出れば当然案内が送付されるので)もありますが、同封されている『審神者任官の拒否表明』をご返送いただければ、以後は送付されません。これもまた、返送したからといって罰せられることも不利益になることもありません。

 また、特に能力の高い適性者に関しては直接歴史保全省の職員がスカウトに向かうこともあります。この場合はスカウト受領=資格試験合格という扱いとなります。当然ながら、スカウト前には素行調査もなされています。霊力のみでスカウトされることはありません。事実、素行調査の結果人柄に問題があったり、性癖に嗜虐趣味・幼年趣味があったためにスカウトされなかったケースもあります。

 過去の人間に関しては『乙種審神者』項目にあるように、五神官が受け取った神託により歴史保全省職員が過去へとスカウトに向かいます。その後は一般スカウト審神者と同じ流れとなりますが、現代機器に慣れていただくための基本研修と生まれ育った時代から現在までの歴史及び歴史解釈の研修も受けていただきます。

審神者資格試験

 受験資格は中学卒業以上の日本国籍を有する者(大学卒業後が望ましい。社会人経験があると更に良い)で審神者適性検査後『審神者資格試験受験案内』が届いた者。陽性反応があったからといって全ての対象者に受験案内が届くわけではなく、犯罪歴や同時に受ける健康診断での心身の健康状態も考慮された上で送付されています。短刀という明らかに可愛らしい外見を持つ少年がいるのに少年に対する性犯罪の前科を持つ者を審神者にするわけにはいきませんし、健康状態が良くない者に負担を掛けるわけにもいきません。

 資格試験は年に3回(3月・7月・11月)に実施されます。一度不合格であっても再受験は可能です。下限年齢(中学卒業)はありますが、上限年齢はありません。過去最高齢の受験者は85歳(身体年齢50歳)でした。

試験科目
  • 筆記試験(マークシート):国語・数学(中学卒業程度)・日本史・一般教養
  • 筆記試験(記述論述問題):歴史認識・神々への敬意
  • 実技:掃除・洗濯・調理の家事、パソコン操作
  • 面接:面接官は歴史保全省歴史改竄対策局局長・宮内庁神祇局局長・宮内庁神祇局陰陽部部長・陸軍特殊部隊(現代歴史改変阻止部隊)隊長・神薦審神者3名(三貴子推薦者)

 合否は2週間以内に通達され、合格者は安全対策のため召集後即研修へと移行します。

4.研修制度

 審神者制度発足から6年目の2211年より現在の研修制度が出来ました。

 研修所で共同生活をしながら基本的事項を1ヶ月間学び、その後実地研修として既存本丸(指定された本丸)での見習いが1ヶ月行なわれ、合計2ヶ月間が研修期間となります。

研修所

 日本の歴史、刀剣の歴史、祝詞や呪術、戦術などを学習します。実践訓練として鍛刀・刀解・刀装作成・手入れも学びます。この指南書は既に審神者の任に就いている者のためのものであるため、詳細は割愛。

 また、研修所の講師は基本的に歴史保全省審神者教育課と宮内庁神祇局の職員が行ないますが、場合によっては特別講師として現在任に当たっておられる審神者にも要請が行くことがあります。その際には特別手当もありますし、日課任部の一部免除もありますので、是非ご協力をお願いします。

実地研修

 研修の後半に1ヶ月間の既存本丸での見習い研修が実施され、これが実質的に卒業試験となります。机上研修の最後に中間査定があり、この査定に通った研修生が見習いとなります。中間査定で不合格の場合、そのまま審神者候補資格を喪失し、歴史保全省職員となる研修へと移行します。見習い研修で不合格判定の場合、1ヶ月の追加研修を受け再度見習いに臨むこととなります。3回不合格で研修は強制終了となり、審神者候補資格を喪失します。その後はやはり歴史保全省職員または刀剣男士サポータークラブ職員となるための研修が始まります。

 この見習い実地研修は審神者と同じく本丸に住み込みで行なわれます。しかしながら、本丸本殿に主たる審神者以外の霊力があるのは好ましくないため、見習いの居住スペースは離れであることが義務付けられています。なお、離れは見習い受入本丸の場合無料でデフォルトタイプが設置されます。見習い研修生には本丸に赴く前に霊力を封じる咒を掛けていますが、念のために本殿には住まわせないでください。

 研修生は毎日の研修日報記載と提出が義務付けられています。研修先の審神者も研修生の状況報告を毎日行なって下さい。研修先審神者の合否判定によって研修生が審神者になれるかどうかが決まります。また、著しく品行の良くない場合、研修に意欲を見せない場合、刀剣男士からの評判が良くない場合はこんのすけを通じ、直接神祇局へご連絡をお願いします。1ヶ月経過せずとも研修終了(不合格)となり、追研修となります。

 なお、研修生受入中は日課任務(戦闘任務)の一部が免除されます。どの程度免除されるかは普段の業務内容によって異なるため、担当官にご確認ください。

 研修すべき内容や報告書書式については別途受入本丸に配布される『審神者研修指南書(指導審神者用)』をご参照ください。

5.審神者の身分と職能

 審神者は特別国家公務員で陸軍特殊部隊の士官です。歴史保全省に出向し、歴史保全省歴史改竄対策局審神者部実働課職員となります。陸軍士官としての階級は任官当初は、陸軍大佐(神薦審神者)、陸軍大尉(寺社薦審神者)、陸軍中尉(甲種・乙種審神者)ですが、当然ながらその勤務状況によって昇降格があります。

審神者IDと号

 審神者は安全のため本名などの個人情報の一切が伏せられており、公式記録にも一切掲載されません。そのため、10桁の審神者IDで各個人の情報や戦績は管理されています。各種書類、給与、申請などは全てこの審神者IDによって管理されるため、紛失などしないように気をつけてください。審神者証は本丸から出る際には必ず携行してください(審神者証は決済IDカードも兼ねています)。

 

  • 上3桁:出身西暦。甲種審神者以外は任官年。
  • 中2桁:審神者種別。GA=神薦(天津神)、GK=神薦(国津神)、JS=寺社薦(神道)、JB=寺社薦(仏教)、JC=寺社薦(キリスト教)、NM=甲種(男性)、NF=甲種(女性)、PM=乙種(男性)、PF=乙種(女性)
  • 下5桁:着任順の通し番号

 

 号は自分で決めることが出来ますが、その言葉には制約があります。まず日本語であることが大前提であり、漢字1文字から10文字までとなります。また、神薦審神者はその推薦した天津神国津神から授けられた審神者号があり、これが全て植物和名であることから、甲種・乙種審神者が植物名を使うことは出来ません。寺社薦審神者が色和古名であることから同様に甲種・乙種審神者は色和古名を使うことも出来ません。同国に既に希望と同名の審神者がいる場合にもその名前は使えません(他管理国であれば問題はありません)。

 ※歴史修正主義者のテロ対象であるための防止策。一部誤解があるようだが個人情報を刀剣男士に知られても立場逆転や魂を捕らわれることは絶対にありません。

審神者の職能

 審神者の役目は刀剣男士を集め、鍛え、戦場に送り指揮を執り、傷を癒すことです。付随して肉体を持った刀剣男士が健全な肉体と精神で職務に勤しめるよう、生活環境を整えることもその役目となります。

 刀剣男士はその刀剣としての性質上、審神者を己の所有者で使用者である『主』と認識し、『主』『主君』『大将』と自分が仕えるべき者として遇する傾向があります。しかし、審神者と刀剣男士は決して主君と臣下という主従関係ではありません。審神者は飽くまでも上官であり、本来は刀剣男士という刀剣の付喪神に奉仕する人間の代表であることを忘れないでください。

 具体的な職務については『第7章 業務』で説明します。

所属国

 審神者は便宜上、70の国に分かれて配属されます。これは飽くまでも部署内の管理グループといった程度のもので、国ごとに指揮系統が分かれているとか、国のトップがいるというわけではありません。大型団地のA棟、B棟、C棟のようななものです。また、実際に各人の本丸が該当の地域にあるわけではありません。

 これらの地域は現世の都道府県と同名にすると何らかの影響が出てしまう可能性があるため、律令制での統治区分での国名を利用しています(所謂律令国。律令国ではない蝦夷・琉球も追加)。なお、本丸IDはこの所属国ごとの着任順で割り振られています。

 

勤務形態

 審神者の勤務形態は、前線基地(通称本丸)に住み込みの常駐勤務です。基本は週5日40時間勤務ですが、戦況を鑑み、審神者及び刀剣男士相談の上、各本丸に一任するものとします。

 有給休暇は着任7ヶ月目から取得することが可能です。着任1年目は年間6日、以降勤続1年ごとに6日ずつ増加し、最大30日まで増えます。なお、年度(4月から翌年3月)で消化し切れなかった有給休暇は次年度に15日まで持ち越すことが可能であり、最大45日の有給休暇が認められます。但し、審神者が本丸に不在になる場合は、刀剣男士の顕現維持・本丸への霊力供給の観点から連続休暇は最大10日となります。有給休暇の取得については、希望日の1ヶ月前までに担当官に申請すること。なお、慶弔休暇は有給休暇とは別途取得可能です。

給与

 審神者の俸禄は完全月給制となります。月末締めの10日支給です。基本給は前月末の刀剣男士数によって決定します。

 審神者の個人情報を政府では一切登録していないため、給与は自動的に審神者銀行の審神者個人口座への振込みとなります。現世の所持口座への入金は各個人の責任において行なうこと。

基本給(階級:中尉の場合) 
  • 刀剣男士数10人以下:15万円+錬度上限刀剣男士数×500円
  • 刀剣男士数11~20人:20万円+錬度上限刀剣男士数×500円
  • 刀剣男士数21~30人:25万円+錬度上限刀剣男士数×1000円
  • 刀剣男士数31~40人:30万円+錬度上限刀剣男士数×1000円 
  • 刀剣男士数41~50人:35万円+錬度上限刀剣男士数×1500円
  • 刀剣男士数51人~58人:40万円+錬度上限刀剣男士数×2000円

 また、半年に一度の業務査定により、上記基本給は増減します。戦績及び運営状態が良好であれば最大100%増、不良であれば最大50%減となります。

 夏季(7月)・冬季(12月)には賞与を別途支給します。これも上記と同じ業務査定により金額が決定します。

 なお、刀剣男士に対しても別途給与(日給月給制)及び賞与を支給し、各刀剣男士用口座へ振り込みます。初期は日給1000円ですが、半年に一度の査定(査定対象は刀剣男士ではなく審神者)により最大日給1万円まで昇給します。当然、査定結果によっては減給も有り得ます。

定期健康診断

 審神者は着任から1年に1度、政府指定医療機関にて健康診断の受診が義務付けられています。これは健康状態は勿論のこと、本丸という閉鎖空間で刀剣男士に囲まれた唯一の人間という特殊環境にある審神者の精神状態の確認、及び霊力の変化を調べるためでもあります。

 霊力値がその時点での所属刀剣男士数の維持及び太刀6体重傷連続手入れが困難な数値となった場合は、審神者任務継続困難として、退官となります。

6.退官

 審神者は健康上、あるいはその他の理由によって退官することが出来ます。退官の際は退官希望日の1ヶ月前までに所定の手続き書類を担当部署に提出してください。

 退官に際して、刀剣男士は契約解除となり本御霊に戻り、本丸は解体となります。他の審神者への刀剣男士の引継ぎは原則行なわれません。

退職金

 退職金は基本給×一定倍率×勤続月数となります。一定倍数は勤務状態によって変化します。当然、成績(戦績及び本丸運営状況)優秀であった審神者であれば倍率は高くなり、成績不良であれば倍率は低くなります。

退官後の再就職

 希望者には関係各機関での再就職を斡旋します。

 斡旋対象機関:歴史保全省歴史改竄対策局、歴史保全省総務局、歴史保全省技術局、宮内庁神祇局、刀剣男士サポータークラブ

 ※刀剣男士サポータークラブ:主に刀剣男士への信仰を高めるための広報活動を行なう政府公認の民間団体

退官時の護衛

 審神者は特殊能力を持つ職種であり、かつ歴史修正主義者のテロ対象でもあります。これは退官後も変わりはありません。そのため、退官に際して1振の刀剣男士を現世へ伴うことを義務付けています。但し、人型の『刀剣男士』ではなく、刀剣の状態での所持となり、危急の際のみ顕現を許可します。なお、伴う刀剣男士は原則初期刀とします。

刀剣男士の引継ぎ

 原則として刀剣男士は顕現した審神者の退官に伴い刀解し、本御霊へと戻ります。しかし、特殊事例として稀に刀剣男士の他審神者への引継ぎも発生します。

 審神者は退官確定後、刀剣男士の進退を全刀剣男士に確認する義務があります。但し、基本は刀解であり、引継ぎは条件及び審査があることも説明せねばなりません。

 特例条件(下記参照)を満たした場合、審神者退官確定後、審神者が担当部署に申請し、審神者の担当官及び宮内庁神祇局職員による該当刀剣男士の面談が行なわれます。その面談によって引継ぎの承認可否を決定します。

 刀剣男士の存在は顕現した審神者の霊力によって保たれているため、本来その審神者以外の霊力を受け入れることが出来ません。顕現した審神者以外の霊力を身に受けると刀剣破壊されます。そのため、刀剣男士引継ぎに関しては宮内庁神祇局陰陽部の特殊術式によって根源霊力の書き換えが必要となります。これは非常に高度で難解な術式であり、術者の生命を脅かしかねないものでもあり、安易には使用出来ません。ゆえに引継ぎに関する審査は慎重且つ厳正に行なわれます。また、霊力を書き換えるため、刀剣男士の錬度及び能力値は初期値に戻ります。

 引き継ぐ審神者は歴史保全省歴史改竄対策局審神者部及び宮内庁神祇局監察部によって推薦、または審査されます。退官する審神者もしくは刀剣男士からの希望があれば考慮されますが、必ずしも希望が通るわけではありません。そもそも引き継ぎ申請は基本的に却下されるものとご認識ください。希望審神者が審査を通らなかった場合は再度意志確認が行なわれ、他審神者への引継ぎを希望しない場合は刀解となります。

特例条件
  • 顕現後1年未満で『刀としての本分を十分に果たしていない』と刀剣男士が主張している場合
  • 本丸平均の1日の戦闘数が30戦未満(ランクZ、ZZの怠惰本丸)で『刀としての本分を十分に果たしていない』と刀剣男士が主張している場合
  • 極端に出陣回数が少なく『刀としての本分を十分に果たしていない』と刀剣男士が主張している場合(本丸最高錬度の刀剣男士よりも30以上錬度が低く、且つ本刃の錬度が40未満)※所謂入手困難刀剣及び短刀が対象
  • 上記3項目には当てはまらないが、『刀としての本分を十分に果たしていない』と刀剣男士が主張している場合
※錬度99及び極の刀剣男士・顕現5年以上で錬度80以上の刀剣男士の引継ぎ申請は却下されます。

 引継ぎは飽くまでも刀剣男士が『刀としての本分を全く果たせておらず、大いに不満を抱いており、それが本御霊に悪影響を与えかねない』ケースへの特別措置となります。

終戦後の対応

 歴史保全戦争終結後は全本丸解体・審神者任務完了となり、退官となります。その際の手続きやその他については、終戦後の各種通達にてお知らせします。