1.審神者
原作に於いて、『時の政府が審神者を各時代へ送り出す』『眠っている物の想い・心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ者』とのみ設定されており、プレイヤーの分身ともいえるもの。原作内ではその性別・年齢・容姿・人種などの設定は一切ない。ここから、審神者が人間ではない、実はプログラムであるなどの拡大解釈も生まれている。
プレイヤーは自ら登録してゲームを始めるので、そこから『自ら志願して審神者となった』と解釈することもできる。またPC版であれば18歳以上しか登録できないこともあって、審神者の資格は高卒以上という解釈もできる。つまり、現実のゲームに照らし合わせて『審神者』を考えると、『自ら志願した高卒以上の日本人』が審神者ということになる。
全ての審神者は審神者養成所にて研修を受けた後、就任することとなっているが、政府や歴史保全省にもブラックな政治家や役人がいるため、一部例外もある。拉致や脅迫はないとされているが、本当にないとはいえない。
2.審神者の身分(所属)
特別国家公務員で陸軍特殊部隊の仕官である。歴史保全省に出向し、歴史保全省対策局審神者管理部審神者課職員となる。
歴史保全省に出向している陸軍特殊部隊の軍人。任官時に任命されるのは軍曹で、一応半年に1回の査定はあるものの、ほぼ昇格はない。昇格があるのはランカーと呼ばれる戦績ランキング上位10人程度。『うつろはで』においては、更紗木蓮たちの年度から順調に昇格する者が現れるようになる。万年青や右近らコールドスリープ組はそのままの階級なので、万年青は中将、右近は少佐からスタートした。コールドスリープ組やもともと軍人だったものを除いて、軍属であるという意識のある審神者はほぼいない。
3.審神者の区分
- 神薦審神者
- 審神者制度黎明期に天照大神・月読命・素戔嗚尊・大国主命をはじめとする八百万の神々の推薦を受けて審神者となった者。
神に愛された『愛《めぐ》し子』と呼ばれる存在で、その人格と霊力の高さ、魂の高潔さは神様の折り紙つき。死後はそれぞれの加護を与えている神様の眷属となることがほぼ確定している状態の、半分神様な審神者たちでもある。戦績上位はほぼこの神薦が占めており、戦局をリードする存在となっていた伝説の存在。
基本的にこの時代に神薦審神者はいないことになっている。(『うつろはで』ではコールドスリープ組の万年青と更紗木蓮が該当する) - 寺社薦審神者
- 審神者制度黎明期に官制社(神道)・古刹名刹(仏教)・ローマ法王庁(キリスト教)から推薦を受けて審神者となった者。既に寺社薦審神者は廃止されており、この時代にはいない。
- 甲種審神者
- 一般的な審神者。ほぼ全ての審神者がこの甲種であるため、殆ど審神者の区別はない。
- 乙種審神者
- 過去の時代からスカウトされた審神者。既に廃止されているため、この時代にはない。
- 転神審神者
- 『日本のサブカルに救われた異国の神々』にのみ登場する審神者の分類。
日本のゲーム・漫画・アニメ・ラノベなどによって名を知られることによって神としての力を取り戻した異国の忘れられた神が、恩返しのために一時的に人間となり、審神者となったパターン。
肉体は人間だが、魂が神であるため、浄化能力などに優れており、事故本丸(所謂元ブラック本丸)対応専任となっている。
4.審神者制度
2205年に発足し、既に100年以上が経過しているため、かなり歪みが生じている。審神者としての自覚を持ち戦争の前線指揮官であり刀剣男士の管理者であるという真面な意識を持つ審神者は減少しており、神を従えるオレサイコー系な勘違い審神者や神様にお仕えする巫女な私ウフフなお花畑審神者も多い。
歴史修正主義者との戦いが日常のことでありつつも、現世には影響のない戦況であることから、審神者=名誉職と勘違いする傾向が強く、嫁入り前の箔付けやら政界入り前の箔付けみたいな誤った認識で審神者になろうとするもの、子女を審神者にしようとするものもいる。基本的に審神者は死亡もしくは霊力枯渇以外での退官は認められていないにもかかわらず、そういった認識で任官する者がいるため、色々と問題も起きている。
5.審神者の社会的認知度
物心がついた年齢以上の日本国民であれば、全てが審神者と刀剣男士については知っている。但し、細かい業務内容は軍事機密となるため、知らされてはいない。そのため、見目麗しい戦神とそれを従える人間といった表面的なことだけを見て、審神者に憧れるもの、妬むものも少なくない。
刀剣男士の表面的な情報から、勝手に刀剣男士の性格などを捏造した創作物(同人に限らず)も多く、その誤った認識により、本来の本霊の性質とは異なった刀剣男士も生まれている。本霊には影響が出ないように護歴神社が色々と対策をしているが、飽くまでも創作物に登場するのは『刀剣男士』なので、基本的に本霊には影響が出ず、一部刀剣男士は本霊との乖離が酷いことになっている。一種の風評被害によって刀剣男士に歪みが生じているケースもあり、歴史保全省や護歴神社、審神者、まともな政府関係者は頭を抱えている。
6.勤務形態
世界観Aと同じ。(以下同じ記述)
原作ゲームのログイン・ログアウトを出勤・退勤と捉えることも可能だから、生活空間は別にあり、本丸には仕事のために通うという設定もあり。
当初は神の名を冠しているとは言え妖怪である刀剣の付喪神と人間がともに生活することの懸念から、政府管理敷地内の官舎に審神者を居住させ、そこから本丸に出勤させるという案が出た。
しかし、毎日次元を超えることの危険性、審神者という特殊能力を持つ者やそれに関わる者の安全対策、現世で生活するとなれば当然現世との関わりも避けられないことから、審神者も本丸で生活することが定められた。
生活空間と職場が同じであることから、勤務時間などは審神者の裁量に任されている。24時間労働的な本丸もあれば、きっちり業務時間を設定している本丸、そのときの気分で流れの変わる本丸と色々な本丸がある。一般的なのは大体の業務時間を定めている本丸。勤勉な日本人らしく大体何処の本丸でも1日8時間の労働時間が設けられているが、学生から即審神者になったor就業経験のない審神者の本丸だと、割とルーズで仕事時間が短い。
7.給与
大前提として物価は2016年と同じ。200年経っていれば物価は大きく変動していると思われるが、そこを考えると複雑なので。
月給制(但し赴任初月は日給月給制)で末日締めの10日支給。
審神者は指揮人数的に軍隊でいうところの小隊指揮官にあたり、そのことから国防軍中尉相当とされる。そこから算出(というほど大袈裟ではないけれど)。
月収制だが、前月末の刀剣男士人数によって給料は変動する。
給与例(階級:軍曹の場合)
- 刀剣男士数24振以下:基本給15万円+上限手当A+ランク手当
- 刀剣男士数25~36振:基本給18万円+上限手当A+ランク手当
- 刀剣男士数37~48振:基本給21万円+上限手当B+ランク手当
- 刀剣男士数49振以上:基本給24万円+上限手当B+ランク手当
※上限手当A:錬度上限刀剣男士数×500円
上限手当B:錬度上限刀剣男士数×1000円
※ランク手当:前月度のランクによって変動
審神者ランク | 手当 |
---|---|
SS | +50000円 |
S | +30000円 |
A | +10000円 |
B | +5000円 |
C | なし |
D | -10000円 |
Z | -30000円 |
ZZ | -50000円 |
これは審神者個人に支払われる俸給であり、本丸運営費は別に支給される。半年に1回査定があり、戦績が優良な本丸であれば最高100万円まで基本給が上がる。
また、審神者の給料は本人名義の口座にのみ振り込まれる。但し銀行は政府直轄の通称審神者銀行。何しろ安全対策で本名が一切登録されないため、現世の銀行は使えない。審神者は基本的に本丸と歴史保全省庁舎の行き来しかしないので、買い物もネット通販サイトか万屋で行なう。それらの買い物は全て審神者IDを入力・記入することによる自動決済(給料口座からの自動引き落とし)。
稀に家族への給料一部送金を望む審神者もいるが、それは政府が手続きをするのではなく、自分で送金するシステムとなっている。家族の名前も当然ながら安全対策で登録できない。家族の名前から審神者の名前も判ってしまうからこれも当然の措置。なお、現世の創作物において子供を審神者にしてその給料を自動的に親が受け取り搾取するというパターンもあるが、これは上記システムからも有り得ない。稀にそれを要求する毒親もいるが、真面な政府職員は『は? 給料を別人の口座に振り込むとか常識的に考えて有り得ないでしょう』と拒否、お説教してくれる。
ちなみに本丸運営費は刀剣男士+審神者の食費(但し基本的なもの。嗜好品と呼ばれるものや高級食材は自腹)、本丸施設維持メンテナンス費用。申請して認められれば経費が下りる。例)刀剣男士のリラクゼーションのために大広間にTVを導入したい→経費OK 刀剣男士の個室にTVを導入したい→経費NG
なお、審神者銀行には本丸運営費用口座、審神者個人口座、刀剣男士用口座があり、本丸IDを大元として管理される。例えば本丸ID0101・審神者ID205GA00001の三日月宗近(刀帳番号3)の場合、本丸運営費用口座の口座番号は0101-0000-0000、審神者個人口座は0101-00001-0000、三日月宗近用口座番号が0101-00001-0003となる。ちなみに刀剣男士用口座は本丸始動時に全刀剣男士分用意されており、顕現した瞬間に使用可能となる(システムはご都合主義で。刀帳に記録された時点で使えるようになる)。但し、口座管理は刀剣男士に知らせていなければ審神者が行うことになり、そこから一部刀剣男士の給料横領なんて事態も起きる。大抵の審神者は刀剣男士専用端末(共用或いは個人用)を作り、そこで自身で管理させている。
8.審神者ランク
戦績ランキングとは別に審神者個人の成績を絶対評価で判定したランクづけ。
戦績ランキングは相対評価のため、給与査定などには関係しないが、審神者ランクは多くのことに影響する。(給与、退職金、施設使用料など)
各ランクの基準は以下の通り
ランク | 評価 | 月間基準戦闘数 | 年間基準戦闘数 |
---|---|---|---|
SS | 優良 | 基準稼働日数×90戦以上 | 22950戦以上 |
S | 良 | 基準稼働日数×50戦以上 | 12750~22949戦 |
A | 可 | 基準稼働日数×12戦以上 | 3060~12749戦 |
B | 可 | 基準稼働日数×11戦以上 | 2805~3059戦 |
C | 可 | 基準稼働日数×10戦以上 | 2550~2804戦 |
D | 怠惰 | 基準稼働日数×8戦以上 | 2040~2549戦 |
Z | 怠惰 | 基準稼働日数×6戦以上 | 1530~2039戦 |
ZZ | 怠惰 | 基準稼働日数×6戦未満 | 1529戦以下 |
9.審神者の能力
世界観Aと同じ。(以下同じ記述)
霊力の他、祝詞・呪符による結界術、ごく一般的な家事能力、一般の事務職が勤まる程度のパソコンスキル、史学に基づく指揮能力が最低限必要とされる能力となる。
なお、霊力は一般的な霊能力(視る・聴く・感じる・祓う)とは全く異なる能力であり、まさに『眠っている物の想い・心を目覚めさせる力』のこと。審神者だからといって幽霊が見えたり悪霊を祓ったりができるわけではない。勿論、審神者の中にも霊能力を持ちそれらができる者もいるが、それは審神者以外にもそういった者がいるのと同様。また、審神者として経験を積んでいけば、刀剣男士以外の付喪神に実体を与えることができるようにもなる。
10.審神者の霊力
実は大抵の日本人が持っている。日本では信じる信じないは個人差はあれど『付喪神』をはじめとした精霊信仰があることから、自覚の有無に関わらず民族的な資質として『眠れる器物の心・想いを目覚めさせる能力』は持っている。但し、それが『自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ者』となるとそこまで多くはない。
審神者の霊力はRPGでいうところのMPのようなもの。それぞれ個人によって上限があり、刀剣男士の肉体維持・鍛刀・顕現・手入れ・刀装作成に使われる。休んでいれば自然回復する。MP使用量が多いのは顕現>手入れ(重傷)>鍛刀>手入れ(中傷)>手入れ(軽傷)>刀装作成>肉体維持。
審神者となる霊力の最低基準は4部隊(24振)顕現可能なこと、顕現・手入・刀解・刀装作りが行なえることであり、世界観Aに比べると能力が低くても審神者になれる。本丸によって霊力は増幅されるので、最低値の審神者でも刀剣男士コンプリートは可能だが、実はそういうケースでは知らずに生命力まで使って顕現しているので、審神者が体調不良を起こしたり、早世したりする。
なお、手入れに関して、傷の度合いでの霊力消費量に違いはあるが、刀種・レベル・レア度による違いはない。但し、資材は前記3つによって必要量が変わってくる。
11.審神者の資格
中学卒業以上の日本国籍を有する者。但し推奨されているのは成人してから。短期大学及び4年制大学卒業後が望ましい。できれば就業経験があり、更に管理職経験者だとなお望ましいとされている。
しかしながら、一般的には中学卒業後に審神者高等学校に入学して審神者になるものが多く、社会人経験者の審神者は少ない。
また、審神者制度が成立した時代以降は年に一度の健康診断が国民に義務付けられており(無料。高度医療の分野も含まれる)、そこで審神者適性検査も行われる。その検査で陽性反応のあった者に対して、審神者養成所入学試験を受けるよう通知が行く。適性があったからといって、審神者養成所入学試験を受けなければならないわけではない。つまり、適性者のうちの志望者のみが受験する。司法試験に合格したからといって弁護士・検事・判事にならなきゃいけないわけじゃないのと一緒。
なお、どれだけ霊力があろうとも日本国籍を持っていなければ受験できない。これは審神者が特別国家公務員であるための条件。(国家公務員は日本国籍を持っている者しかなれない)
また、特に能力の高い適性者に関しては直接歴史保全省職員がスカウトに向かうこともある。この場合、スカウト受領=養成所入学試験合格という扱いになる。スカウトの場合はスカウトに向かう前に歴史保全省が対象者の詳細な調査を行ない、密かに面接が行なわれているのと同じような感じで人物や素行を見られている。養成所入学試験を受けるよりもより綿密かつ厳正な調査がなされるため、スカウトされる時点で人格・素行は歴保省お墨付きといえるほどとなる。事前調査で問題があった場合は審神者適性者リストから削除され、以降の健康診断でも適性なしと診断される。なお、スカウトが行われるのは高校卒業以上の年齢で社会人が中心となる。
どのシリーズであっても政府による拉致・家族友人を使っての脅迫などはないことになっている。
一般社会でネット上で出てくる『政府による拉致・脅迫』の噂は政府及び皇室が完全否定しており、また審神者の待遇や求人情報も普通に公開されている。よってごく普通の感覚を持つ一般人は噂を哂っている。陰謀論者は信じたがっている(つまり真実ではないと気付いている)程度。『政府による拉致・脅迫』の噂は反政府主義者・歴史修正主義者・反日組織が政府の信用を落とすべく捏造しているもの。
12.審神者養成所
審神者初等学校・審神者中等学校・審神者高等学校・審神者短期大学の4つがある。但し、養成所という場合には高等学校及び短期大学を指す。養成所卒業後は必ず審神者に任官しなければならない。
国立の士官学校の位置づけとなるため、養成所の学費は必要なく、短期大学では給与も発生する。
高等学校は3年間(一般の高等学校カリキュラムもあるため)、短期大学は2年間で必要な知識や実技を身に着ける。最終学年に1か月間の本丸実務研修があり、それが最終試験を兼ねている。
なお、養成所は全寮制であり、城下町に学舎及び寮がある。基本的に現世外出と家族との緊急以外の連絡は禁止されている。
13.審神者IDと号
審神者は安全のため(歴史修正主義者によるテロ防止など)、本名等の個人情報の一切が伏せられており、公式記録にも掲載されない。そのため9桁の審神者IDで管理される。
①は審神者着任年、②は就任形態、③は性別、④は養成所卒業時の総合成績。
②→C:審神者短期大学卒 H:審神者高等学校卒 S:養成所を卒業していないスカウト。但し、Sに関しては実は『詐称・収監の意味』ともいわれている。真面なスカウトを受けた候補生は審神者短期大学に通うため、ID種別はCとなる。なので、Sはイコール本丸乗っ取りを企んだ囚人審神者という認識が一般的。
号は自分で決めることができるが、研修先の審神者(師匠格)に付けてもらうケースが多い。
任官すると審神者証が発行される。
決済用IDカードも兼ねており、生体情報もチップに埋め込まれている。本丸を出る際は携行が義務付けられているが、現世に出る際には歴史保全省に預けることになる。
14.引退
基本的に終身雇用なので、退役=殉職。唯一例外が霊力枯渇による引退で、4部隊を顕現出来なければ引退が可能となる。
また、著しく本丸運営に問題があった場合は懲戒解雇もあり、その場合は『神に対する不敬及び国家の危機に対しての反国家的行為』と見做され、一生臭い飯を食うことになる。つまり、懲戒解雇=逮捕収監。但し、一般の刑務所ではなく、城下町などの霊力供給装置として収監されて霊力を搾り取られる。ぶっちゃけ、生きたまま強制的に植物状態にさせられる。そうすれば食事は点滴だけでいいし、場所も取らないし看守も必要ないから。うわぁ、結構政府ってダークだ。
15.審神者同士の交流
世界観Aと同じ。(以下同じ記述)
演練や定期会議で直接顔を合わせることが可能であり、審神者同士の交流は禁じられておらず且つ情報交換や精神的安定のためにも推奨されている。そのため、インターネットを使ってのチャットやメール、SNSなどでの交流が盛ん。また、申請すれば互いの本丸を訪ねることも可能。
16.審神者と現世の交流
禁じられてはいないが、安全面の問題から出来るだけ現世への外出は遠慮願うというスタンス。基本的に審神者の現世外出が許可されるのは2親等以内の結婚式、3親等以内の葬式、2親等以内の法事のみ。審神者が現世へ赴けない分、家族友人は申請があれば城下町の万屋街での面会は出来る。これも審神者ランクによって回数制限がある。また未成年の審神者には月に1回の面会が許可される。
また、本丸内の審神者の端末から現世の家族友人へのメール・ライブチャット(テレビ電話)・電話も可能。但しテレビ電話は審神者が審神者職についていることを理解している相手限定。理由は本丸の内部が映ってしまうから。
17.引継ぎ
審神者制度開始から数十年経過したころ、一度に多くの審神者が老齢のため死去・引退する事態が発生。当時は刀剣男士は顕現した審神者の霊力しか受け付けない術式で顕現していたため、歴戦の指揮官と兵士を一度に失うこととなった。それにより戦線が後退し、政府側は苦境に立たされた。そのため、政府は本御霊と交渉し、顕現術式を変更、審神者と刀剣男士の契約を刀剣男士の口上と審神者の応答によって書き換えられるようにした。このことにより、刀剣男士の引継ぎが可能となる。
基本的に引退(殉職)した審神者や免職された審神者の刀剣男士を引き継ぐ場合、本丸ごとではなく、刀剣男士ごとに引き取りが行われる。契約の書き換え=肉体構成霊力の書き換えとなるため、錬度及び能力値はリセットされる。また、極に関しては極化=唯一の主への忠誠であるため、どれだけ高位の術者であろうとも本霊自らであろうとも契約変更が出来ない。このことから、政府は極化を推奨しておらず、極の存在そのものを隠している。
引継ぎが可能となったことにより、本丸乗っ取りやブラックorホワイト本丸引継ぎ問題が起きるようになった。
18.見習い
審神者養成所最終学年で1ヶ月にわたって行われる本丸実地研修で見習いが本丸に滞在する。審神者業務そのものは養成所で学んでいるため、実際の本丸運営を学ぶことが目的。
実地研修に赴く前に査定があり、きちんと学業を修めていない者、人品人格に問題のある者は見習いと成れずに留年或いは退学が決定する。
見習いが手入をすることは刀剣男士構成霊力の上書を行なうのと同等のため、禁止されている。また、鍛刀・錬結・刀解も本丸に登録されているもの以外の霊力を注ぐこととなるため、本丸システムに不具合を起こす可能性があり、禁止されている。特殊事情により見習い中に鍛刀する必要があると判断された場合は、研修指導員である審神者と見習いがともに政府施設に赴き、そこで鍛刀をする。
1ヶ月の見習い期間終了後、審神者・こんのすけ・刀剣男士からの評価によって、審神者資格を得られるかどうかが決まる。
政府有力者の親族など一部の慮外者が見習い制度を利用して刀剣男士を略奪或いは本丸を乗っ取るケースがあり、問題視されている。
19.乗っ取り
17にあるように顕現術式変更により、審神者変更が可能となったため、起こるようになった。審神者養成所出身でなければ本丸見習い研修は行えないし、そこの査定に合格しなければ同じく見習いとはなれないが、権力や金の力で裏道を通り見習いとなって本丸・刀剣男士を強奪する。
乗っ取りにはいくつかのパターンがあり、ケースによっては見習いが罰せられず、審神者や刀剣男士が罰せられることもある。
- 呪具による乗っ取り:審神者と見習いを取り違える認識阻害、見習いへの好感度を上げる魅了系、刀剣男士の自我を奪い傀儡とする洗脳系の3つ。これは審神者には非がないと思われがちだが、同様の呪具・同程度の見習いの呪力でも呪具にかかる場合とかからない場合、同じ本丸でもかかる刀剣男士とかからない刀剣男士がいるなどの違いがあることから、審神者の態度・思考・思想によって刀剣男士が本来の姿・能力・忠誠心を歪められていることにより発生と判明している。本丸全体が呪具にかかってしまう場合であれば、審神者の思考・思想によって刀剣男士が歪んでおり、刀剣男士によって差がある場合には審神者の刀剣男士に対する態度に明確な差があることも確認されている。見習いが罰せられるのは当然だが、審神者にもある程度のペナルティは発生する。
- 寝取り:見習いが性的関係を刀剣男士と結んだことによる乗っ取り。これは本来性欲を持たない刀剣男士が性欲を持っていたことが原因であり、そうなったのは審神者の誤った知識による思い込みであることから、見習いは罰せられ、審神者も一時資格停止のうえ再教育が行われる。刀剣男士は本来の姿から完全に歪んでいること、忠誠よりも己の欲を優先したことから刀解処分となる。また、このパターンの中には刀剣男士が審神者交代を望まず、見習いを共有娼婦として扱うケースもあり、これも発覚次第、審神者再教育・刀剣男士刀解となる。
- 虚言による審神者貶め:所謂夢小説の嫌われ展開パターン。これに引っかかる刀剣男士は忠誠心皆無とされ、問答無用で刀解。審神者に諫言した者・全く疑わなかった者のみ、刀解を免れる。このパターンは刀剣男士が神寄り思考で『人間が神に嘘をつくはずがない』と思っていることから起こることが多く、刀剣男士は神寄り思考となるのは審神者や担当官の態度が原因であることが判明している。そのため、審神者の意識調査及び再認識教育と担当官変更が行われるケースが多い。
- 刀剣男士による主交代要求:見習いに非がないパターン。本丸引継ぎによって後任審神者から見習いへと鞍替えするケースと審神者が顕現した刀剣男士が鞍替えするケースがある。どちらも鞍替えしようとした刀剣男士は刀解処分。審神者は就任から見習いが来るまでの運営を精査され、問題があれば再教育となる。問題がない場合(主に引継ぎ)は休養期間を経て再度新たな本丸を運営することになる。
- ブラック本丸乗っ取り:見習いに功があるパターン。刀剣男士虐待を行なっている審神者の告発とセットであることから、寧ろ見習いは表彰されるし、刀剣男士は休養期間や慰謝料が与えられる。見習いの自分本位な乗っ取りと区別するために『特殊功績引継ぎ』として周知される。
刀剣男士の個体差の項でも触れるが、刀剣男士は顕現した審神者の霊力・思考・嗜好によって歪むケースがあり、①~④は程度の差はあれ、まともな刀剣男士及び本霊からは『歪んだ刀剣男士』と判断されるため、顕現した審神者も調査・再教育・処罰対象となる。処罰の重さは見習い(④⑤以外)>審神者>刀剣男士となる。裏切った刀剣よりも審神者のほうが重いのは、審神者による影響で刀剣男士が『裏切るような個体となった』と認定されるから。また、審神者が即処罰ではなく再教育なのは、本人も無自覚な思考・思想であるケースも多いためで、それは本人に罪があるわけではなく、それまでの生育環境や教育による影響であることから、処罰ではなく再教育となる。処罰となるのは⑤のパターンか、明らかに自分の嗜好によって刀剣男士の差別を行なっていた場合、或いは散々注意や忠告を受けながらも改善していなかった場合。
乗っ取りが発覚した場合、見習い及びその便宜を図った者は国賊となり、処罰される。基本的に審神者への慰謝料と損害賠償が課され、終身刑で霊力タンクとなる。真面な運営をしていた本丸を潰し刀剣男士を刀解に追い込むわけだから、明らかに戦力を削ぐことになりつまりは利敵行為。国賊認定は当然。
余程見習いの能力が高く、見習いに鞍替えした刀剣男士の錬度が高く、且つ乗っ取られた審神者が本丸運営を許可した場合は、本丸運営及び審神者業務がそのまま処罰となることもある。その場合、見習いも刀剣男士もそれが刑罰であるため、給料は発生せず、途中での引退や刀剣破壊・刀解は許されない。担当官は歴保省職員ではなく、監察局局員が勤めることになり、ノルマは厳しい(ランクSSと同等の出陣数)。なお、終身刑であることに変わりはないし、受刑者であることから、演練参加・万屋街利用・インターネット利用も禁じられる。
20.戦闘系審神者
基本的に政府は審神者(人間)が戦場に出ることは禁止している。理由としては
- 『その時代に存在しない人間』である審神者が過去に赴き当時の人間と接してしまうことによる歴史改変。意図しておらずとも時代が違えば言葉も違い常識も違う。そのことにより、当時の人間であれば知ることのない知識を得てしまい、それが時代を経ることによって少しずつズレが大きくなり、歴史に影響を及ぼす可能性がある。
- 『その時代に存在しない人間』である審神者を当時の人間が見てしまうことによる歴史改変。審神者側は自分が当時の人間に見られていることに気づかないことから、当時の人間が知らぬアイテムを使う可能性もあり、それらを見られた場合、長期的に見てズレが生じ、歴史に影響を及ぼす可能性がある。
- 審神者が過去に赴くことによって現代では根絶している病原体やウィルスを現代に持ち込んでしまう可能性。既に現代において根絶している病原体・ウィルスであれば、治療薬もデータもない可能性が高く、過去に比べ医療が発達したため生物学的な生命力が過去の人間に比べて著しく劣っている現代人に感染するとそれが死病になる可能性が高い。しかも過去に渡った審神者のみの問題ではなく、担当官や演練・万屋を通して感染拡大・パンデミックを引き起こす可能性もある。
- 審神者が過去に赴くことによって当時そこにはなかった病原体やウィルスを持ち込んでしまう可能性。現代人である審神者は予防接種などで保菌者であっても発病していないケースもある。しかしながら現在戦場となっている時代には予防接種の概念はなく、当然感染すれば発病する。当時にない病であれば、治療方法もなく、感染拡大しそれが歴史を変えてしまう可能性が高い。
- 審神者が過去に赴き戦うことによって、当時には有り得ない銃火器・光子線銃・術式などの痕跡が戦場に残り、それがオーパーツとなってしまう可能性がある。なお、人間が開発した武器は時間遡行軍にも検非違使にも効かないことが判明している。飽くまでもこれらの敵は『刀剣男士が振るう本体』で斬ることにより『刀剣男士の霊力』によって浄化されているのであって、直接の『斬る』行為によって消滅しているわけではない。※このため、刀剣男士が自身の本体以外で攻撃しても霊力は乗らず、遡行軍・検非違使を倒すことは出来ない。
といったものが挙げられる。
しかしながら、ブラック本丸引継ぎやホワイト本丸(ブラック男士)引継ぎで且つクズ役人担当といった要素が重なった結果、戦績だけを求められ審神者自身が戦場に赴かねばならないと思い込んでいるケースもある。実際には、本丸には新たな審神者が就任すると同時に自動で本丸に審神者業務指南書が配布され、これは審神者に直接届く。担当官がクズだろうが、こんのすけがいなかろうが、こんのすけが刀剣男士側であろうが、必ず届く。そして、連絡用端末も同様に自動で審神者の手元に届く。基本的に新人審神者は養成所を出ているので、業務指南書に緊急連絡先が記載されていることも、連絡用端末に担当官を通さない通報先が登録されていることも知っているはず。なので、通報不可なんてことには絶対にならない。誘拐・拉致によって養成所を経ずに本丸に放り込まれても、必ず届く。担当官が本丸に放り込んだ審神者を審神者として登録していなくても、本丸システムが審神者霊力を感知して渡すので、絶対に届く。つまり、戦闘系にならざるを得なかったと主張する審神者は、業務指南書を読まず、端末チェックもしていないということになる。さにちゃんにスレ立てしようもんなら、そこに直ぐに突っ込みが入るくらいには、普通の審神者であれば皆が知っていること。
但し、周到な担当やこんのすけ・刀剣男士の場合、届いた瞬間の業務指南書と端末を取り上げることもあるので、100%その審神者が馬鹿ということではない。
21.ブラック本丸
審神者が刀剣男士を虐待している本丸。重傷進軍、過剰出陣、性的暴行、疲労度無視、不要な刀剣破壊、食事・休養・睡眠・入浴なしを審神者の我欲のために行なっているもの。刀剣男士側も納得の上での出陣過多や疲労度無視、食事等なしはブラック認定にはならない。
なお、刀剣男士は顕現した審神者の影響を受けているため、過剰に審神者を憎むか、或いは全くの疑問を持たずに従うかのどちらかになる。ブラック本丸の刀剣男士が審神者に逆らったり諫言したりしないのは、審神者の霊力による影響で、『審神者に絶対服従』と思い込んでいるか、普通に比べて物事を諦めるのが早くなっているのかのどちらか。
ブラック本丸として審神者が摘発されたり、刀剣男士が審神者を害したりした場合、本丸の浄化、刀剣男士の手入は宮内庁神祇局と一部の支援審神者によって行われる。人間を忌避する刀剣男士も多いため、術者によって一斉に刀剣男士の顕現が一時的に有無を言わさず解かれたうえで、浄化・手入れが行われる。その後再顕現した刀剣男士は一定期間の休養後、その後をどうするかを決めるように促される。選択肢は刀解・引継ぎ(個別)・政府所属・更なる休養。本丸丸ごとの引継ぎは選択肢にない。尤も、クズ役人のせいで実際には選択肢を与えられずに本丸に後任審神者が送られることも多い。
刀剣男士の状態についてはブラック男士の項にて。
22.法令
審神者制度の充実と審神者及び刀剣男士の権利を守るため、いくつかの審神者関連法令が存在する。
- 審神者に関する基本的な法令:通称審神者基本法。審神者業務や審神者の身分についての基本的事項を定めた法律
- 審神者保護法:審神者の権利を守るための法律で、現世とは異なる審神者関連の犯罪規定や罰則を含む
- 刀剣男士保護法:刀剣男士の人権(刃権)を守るための法律で、人間ではないものの生命・肉体・感情・意思を持つ刀剣男士を保護するもの。刀剣男士関連の犯罪規定や罰則を含む