それは第2部隊が享保の大飢饉への2時間遠征を終えて帰ってきた午後のこと。この本丸の主である審神者の前に五虎退、前田藤四郎、厚藤四郎、小夜左文字が立って縋るように審神者を見ている。その後ろにはハラハラと心配そうな宗三左文字と江雪左文字の兄弟。第2部隊の面々である。
「うん、それで?」
「お、お母さんがいなくなってたんです」
「兄弟もいないみたいで、この子だけしかいなくて」
「腹空かせてるみたいだったから、大将が持たせてくれた弁当食わせたんだ」
「そうしたら離れなくなった」
短刀は口々に言う、後ろの兄左文字ズを見れば、首肯している。短刀たちが連れてきたわけではなく、勝手に付いてきたのは本当らしい。30分ほど放置していたが一向に離れる気配もなく、叱られるのを覚悟のうえで連れて来たというわけだ。
「こんのすけ」
審神者は何もない空間に向かって呼びかける。ポンっと煙が立ち、赤い隈取をした管狐が現れる。
「享保からこの子連れて来ちゃったんだけど、歴史に影響は?」
審神者の視線を追い五虎退の腕の中にいる存在に目を留め、こんのすけはああと頷く。
「ございません。失われる命がその時代から消えた、それだけですから。そもそも猫ですし」
五虎退の腕の中には生後2~3ヶ月といった三毛猫が抱かれている。
「本丸に普通の動物いても大丈夫なの?」
本丸は亜空間に存在する霊的な空間である。ここにいるのは霊力を持つ審神者、付喪神である刀剣男士、管狐のこんのすけだ。五虎退の虎や鳴狐のお付の狐もいるが、あれらは刀剣男士の一部であり、独立した動物ではないらしい。それに本丸には外部から敵が入れないようにする為に特殊な結界が施されており、審神者の霊力の保護下にいないものについては排除される仕組みだ。ちなみに政府職員である担当官や監査官は別の呪法によって本丸を訪れることが出来るようになっているらしい。
「馬がいるではありませんか」
「いや、あれも普通の動物じゃないでしょ。刀剣男士と同じ分霊か式神か、サイボーグかは判らんけど、普通の馬だったら全く同じ馬が全本丸にいるわけがない」
どの本丸でも馬は同じ8頭だ。王庭、三国黒、松風、小雲雀、高楯黒、花柑子、青海波、望月。全て名のある武将の馬だ。名前が同じというだけではない。全ての性能が全く同じだ。そんな馬が本丸の数と同じだけ3000頭以上いるのだから、どう考えても『普通の馬』ではないはずだ。
「クローンかもしれませんよ?」
「クローンでも育成によって個体差が出るって聞いたことある。全く同じ能力値にはならないって。それに傷を負っても本丸に戻った瞬間に治る時点でクローンってだけじゃ説明つかんでしょ」
「──ってことなんだけど、この仔猫本丸で飼っても問題ない?」
ここで大人枠の刀剣男士は愁眉を開いた。いつ審神者が『元いた場所に戻してらっしゃい』と言うかとハラハラしていたが、審神者は飼う前提で話を進めているではないか。子供枠はまだそれに気付いていないようだが。
『今現在、元気にしてます?』
「うん、宗三の袈裟の飾りにじゃれついて、宗三超デレデレ」
『宗三様のデレとか見てみたい! 刀剣男士の姿が見えている時点で霊力ありますね。更に審神者様手作りのお弁当食べたんですよね。そのときに審神者様の霊力を取り込んで、審神者様の保護下に入ってます。だから本丸内に入っても元気なんでしょうね。よって無問題!
「いや、多分メス」
三毛猫だし。基本的に三毛猫は遺伝の関係でオスは殆ど生まれない。3万匹に1匹くらいの確率らしい。オスの三毛猫は2000万円すると言われるくらいだ。
『じゃーにゃんつめ女士!』
「にゃんつめから離れろ、この猫好きオッサン」
『猫デロ甘オバサンが何言ってますか! 生後2~3ヶ月でしょ? 可愛いだろうなぁ。今から見に行きますね!』
「来んな。遊びに来るとか巫山戯てんのか。仕事しろ役人!」
『いけず! せめて画像! 送ってくれたら大至急キャットフードとトイレ砂とトイレとキャットタワー送ります!』
「いらん。既に倶利が発注済だ」
審神者が本丸で飼えるかと聞いた瞬間、個人用端末でさにわ通販Webにアクセスして購入している大倶利伽羅である。
『あれ? 少女漫画の王道ですねー。一匹狼の不良少年は小動物が好き! 馴れ合わない系男士といいつつ本当は心優しいとかね!』
「うちのアレは全力で短刀と馴れ合ってるがな。ウザイよ、へのへのもへじ。用はそれだけ。じゃあね。画像は後で送るから見て悶えるがいい」
『あざーす! もう、このツンデ』ブチッ。
一方的に通話を切り、審神者はキラキラとした瞳で自分を見上げる短刀たちに笑いかけた。
「本丸で飼うことに問題はないって。ちゃんと世話をするんだよ」
そう言えば、短刀たちは『はい!』と嬉しそうに返す。短刀たちの笑顔プライスレス。そもそも短刀に甘いこの審神者が反対など出来るわけがなかったのだ。しかも大の猫好き。犬も好きだが。
「歌仙、本丸遊興費から生後1年未満用のキャットフードと鈴つきの首輪買っておいて。あと、倶利が買った分も本丸遊興費から買い取りね」
初期刀で錬度カンストした今は内勤の祐筆(秘書)となっている歌仙に指示を出す。
「ほらほら、出陣するよ! 第1部隊は準備して! 曾祢さん、岩さん、杵君、蛍君、江雪、うぐ爺!」
仔猫と短刀を微笑ましげに見守っている第1部隊に声をかける。この本丸にやってくるのが遅かった現第1部隊は他より錬度が60から80も低いのだ。第1期第1部隊と第2期第1部隊(打刀投石部隊)は既に錬度カンストしている。
そうして、本丸に新たな仲間にゃんつめ女士『みーこ』が加わったのである。
「主さんー! ボクたちが遠征に行ってる間、みーこ、ここに置いてていい?」
パタパタと乱藤四郎が駆け込んでくる。猫の世話係の短刀は皆遠征部隊所属だ。とはいえ錬度が低いわけではない。短刀3人で鎌倉防衛戦(合計レベル240以上)に行ける程度にはある。元寇防塁(合計レベル260以上)も流鏑馬揃え(合計レベル280以上)も刀種条件があるから短刀のみでは行けないだけで錬度は問題ない。
「ああ、短刀全員遠征だったね。いいよ、みーこ預かるよ」
審神者は振り返り、乱から仔猫を受け取る。みーこが来てから3日目のことだ。
「みーこ、いい子でお留守番してるんだよ。主さんに迷惑かけちゃダメだからね」
審神者の膝の上で早速丸くなっている仔猫にそう言い聞かせると、乱は遠征へと出かけていった。
──思えばこれが仔猫と短刀たちの戦いの始まりであった。
「ん? どちたのみーこ。撫で撫でしろでちゅか? 甘えん坊でちゅねー」
何故人は小動物を前にすると赤ちゃん言葉になってしまうのかは歴史修正主義者の正体以上に謎である。そして、猫なで声って本当にあるんだなと猫を飼っている人は実感することも多いだろう。猫なで声そのものという声で審神者は仔猫に語りかけていた。それをインカム越しに聞いた御手杵は『主がキモイ』と思ったとか思っていないとか。いや、思ったらしい。
「うー!! 今日もダメでした!!」
短刀たちの許に悔しそうに言いながら今剣が戻ってきた。本日のお茶当番であり、審神者の許にお茶とおやつを届けてきたのだ。
そこにいるのは前田藤四郎、平野藤四郎、小夜左文字、秋田藤四郎の『低学年組』と呼ばれるメンバーだ。ここの審神者は刀剣男士たちをその外見と言動から年齢分けしている。全て審神者の独断と偏見とイメージにより年齢は決し、刀剣男士が異論を差し挟むことは許されない。現在最年長は30代後半認定の蜻蛉切と長曾祢虎徹。一方の最年少扱いがここにいる小学校低学年認定組だ。別名癒し組。ちなみに鶯丸は年齢不詳爺枠となっており、80歳くらいかなーということらしい。一切外見を考慮されていない為、年長組とは別扱いされる。『年齢不詳爺枠』は『ふりーだむ枠』とルビを振るんだよと言ったのは実年齢はそう変わらないものの、常識人ゆえに30代半ば認定された石切丸である。まだこの本丸にいない三日月宗近と鶴丸国永もこの括りに入る予定だ。尤も審神者曰く『
さて、この本丸は一般的な本丸に比べて出陣数が多い。一般的な本丸の1日の戦闘回数は30戦程度(全本丸の5割程度。歴史保全省総務課調べ)なのだが、この本丸では1日に少ない日でも90戦は行なう。多い日ではない、少ない日、である。一般的な本丸の3倍以上をこなしている。ピュアホワイト(笑)を自認する怠惰本丸からは『ブラック本丸!!』と糾弾される本丸だ。尤も、政府かららすればノルマは最低限の数値(何か不都合があってもクリア出来る数値)であり、その10戦しかしないピュアホワイト(笑)本丸こそが問題であり、お荷物だ。政府からすれば『ピュアホワイト』は蔑称でしかない。近々ノルマを50戦にしようと政府は考えている。
1日に90戦以上をこなすとなれば、審神者は忙しい。刀剣男士は3チームローテーションで出陣しているが、審神者は1人だ。出陣中は執務室に篭もりきり、パソコンの前から離れることすら出来ない。それを午前9時から午後6時まで続ける(途中昼休憩1時間)。常に神経を張り詰めている。
そこで出番となるのが癒し組だった。八つ時のお茶を持って行き、そのまま審神者の膝の上でおやつを食べる。ほんの5分か10分程度の時間である。その時間も審神者は戦闘の指示を出し職務に勤しんでいるが、マウスを握っていない左手は癒し組の手と繋がれ、頬を短刀の頭にすりすりして癒されている。
切っ掛けは偶然、今剣がこの状況になったことだった。しかし、このとき、疲れきっていた審神者の目が生気を取り戻したのだ。
主様のお役に立てる! 主君を癒して差し上げることが出来る!! そう知った低学年認定組は俄然張り切った。
それからはローテーションを組んで日替わりで審神者の膝の上でおやつタイムを過ごすようになった。
「主君、あの、お膝に座ってもよろしいですか?」
「あなたの膝の上でおやつを食べたい。ダメ?」
なんて首を傾げて言われれば、短刀に激甘な審神者にNOと言えるはずもなかった。
今ではお茶を届ければ、膝をポンポンと叩いて『おいで』と言われるようになっている。
この時間は癒し組にとっても、とても大切な時間だった。審神者の毎日は忙しい。刀剣男士の数も40振りを超え、中々個々に接する時間もない。主と接することの出来る時間は貴重なのだ。しかもほぼ独占出来る時間なんてない。『ほぼ』独占なのは祐筆班(初期刀+第1期第1部隊)の歌仙兼定・燭台切光忠・一期一振・鳴狐・骨喰藤四郎・堀川国広・太郎太刀の誰かがいるからだ。ちなみに祐筆班はその光景を見てこれまた和んでいる。
しかし、しかしである。ここ数日、その時間が奪われている。愛らしい姿をした小生意気な三毛の仔猫によって。
「申し訳ありません。僕たちがみーこを連れて来たばかりに」
「ごめん……」
件の三毛猫を拾った遠征に加わっていた前田と小夜は項垂れる。
「前田と小夜がわるいわけではありません!」
「そうですよ。みーこは皆に可愛がられていますし、僕たちだってみーこ好きですよ」
「主君のお膝を独占してさえいなければ問題ないです」
前田と小夜を慰めながら、それでもしょんぼりとしてしまう。
「このままずっとあるじさまのおひざはみーこのものになってしまうのでしょうか……」
うるっと涙を滲ませて今剣が呟く。
「そんなのイヤだ……」
兄の江雪も宗三も抱っこしてくれる。だが、戦う男たちの太ももは硬い。兄たちとのコミュニケーションは嬉しいし、気持ちも有難いが座ってても気持ち良くない。主の膝は気持ちいい。それに心が温かくなる。やはり主のお膝抱っこは特別なのだと小夜も涙ぐむ。
「僕たちは主君の刀剣男士です! 主君をお守りする懐刀です! にゃんつめ女士なんかに負けてはいられません!! 主君を癒すのは僕たち癒し組の大切なお役目です!!」
癒し組最古参(初ドロップ、本丸3番目の刀剣男士)前田がぐっと拳を握って立ち上がる。審神者がオーバーワークから睡眠不足になると祐筆班によって審神者の寝室に送り込まれるのも癒し組だ。別にR-18オネショタ展開ではない。2人1組になって両側から審神者に抱き付いて添い寝するだけである。生きた抱き枕、睡眠導入剤である。
「行きましょう! みーこから主君のお膝を取り戻すのです!!」
前田の宣言に今剣、小夜、平野、秋田は『オー!!』と拳を振り上げると、審神者執務室へと駆け出したのであった。ちなみに一部始終をマイハンディカムに収めた宗三は後から出陣中の兄に見せてあげようと思っていた。ああ、うちの小夜はこんなにも可愛い!
「主君!! お膝抱っこしてください!!」
「あるじさま、みーこばかりずるいです!!」
「僕じゃあなたの癒しになれないの?」
「主君のお膝にあることが僕の喜びなのです!!」
「お外も好きだけど、主君のお膝はもっと好きです!!」
半泣きで駆け込んできた短刀たちに審神者は目を丸くした。
「そういえば最近、一緒におやつ食べてないし、抱っこもしてなかったね。一度に全員は無理だから、順番でいいかな?」
クスリと笑って審神者が言えば、5人は目を輝かせた。審神者の膝の上のみーこはファーっと欠伸をして伸びをすると、膝から軽やかに机の上に飛び上がる。かつては洋間だった審神者執務室は祐筆班常駐化とともに和室へとリフォームされている。足を崩して座っていた審神者は短刀を膝に乗せる為に正座する。いつの間にやら長時間の正座にも慣れてきた。純和風建築で暮らしていればそうなってくるものだ。
「さんじゅっぷんこうたいですよ!!」
1番手の前田が膝の上に座ると、今剣が告げる。嬉しそうに笑いながら前田は頷き、数日振りの主の膝抱っこを堪能した。
ちなみにみーこはいつの間にやら執務室から消えている。猫は騒々しいことが嫌いだ。やたらと構われることも嫌がる。自分が構ってほしいとき以外は放っておけ! そう思うのが猫である。
そう、みーこが審神者のところにいたのはそういう理由である。見た目の愛らしい仔猫に刀剣男士たちはやたらと構いたがったのだ。猫じゃらしやネズミのおもちゃで。或いはすぐに抱き上げようとして。それらが鬱陶しかったみーこは審神者のところに逃げたのである。
審神者は忙しい。だから自分が膝の上に乗っても何もしない。構ってほしくて『にー』と鳴いたときだけ相手をしてくれる。しかも審神者の仕事を邪魔しないように、刀剣男士たちが審神者の執務室に用もないのにやってくることはない。用のある刀剣男士は忙しいのか、用件が済めばすぐに出ていく。
みーこにとってこの審神者は理想の座布団だったのである。
(とーけんだんしがお茶を持ってきたら、一時撤退したほうが平和にゃん)
みーこがそう悟ったかどうかは定かではない。
「主殿、そろそろ夕餉ですが……おや、どうなさいました?」
いつまでも現れない主を迎えに来た一期一振は文机に突っ伏してフルフルと震えている審神者の姿を見た。その後ろでは骨喰藤四郎が困ったように首を傾げている。先ほどご機嫌な様子で居間にやって来た秋田は何も言っていなかったが。
「……ずっと癒し組、膝に抱っこしてたから」
本日の祐筆・骨喰の言葉に一期はなるほどと笑みを零す。道理で今剣や小夜、前田に平野に秋田が桜を舞わせていたわけだ。
1人30分×5人=2時間半。正座で20キロから30キロの重りを膝の上に乗せていたのである。可愛い短刀の為に主はずっと耐えていてくださったのだろう。そう一期は考えた。つまり、審神者は足が痺れて動けなくなっていたのである。
「失礼いたします、主殿」
苦笑した一期は審神者に近づくと徐に彼女を抱き上げた。所謂お姫様抱っこである。
「うわっ、一期!?」
「歩けないのでしょう? お連れしますよ」
にっこりとロイヤルスマイルを浮かべて一期は応える。いや、放っておいてくれればいいから。骨喰にもそう言って痺れが消えるのを耐えて待っていたのだ。
しかもお姫様抱っこなんて審神者にとっては拷問にも等しかった。お姫様抱っこなんて人生初である。だが、問題は羞恥心ではない。問題はそこではないのだ。
「一期、運んでくれるのは有難いけど、出来れば肩に担ぐか脇に抱えてくれるかな! 俵担ぎがいいんだけど!」
「うわっ。いち兄、主さんお姫様抱っこしてるー」
様子を見に来たらしい乱が何故か嬉しそうにはしゃいでいる。どこに嬉しそうにする要素があるのか、審神者には判らない。
「何故ですかな、主殿。女性をそのように運ぶなど出来兼ねますな」
「手が!! 膝裏触ってるから!! 痺れが!!」
審神者必死である。
そう、お姫様抱っこは膝裏を腕で支える。今、審神者の膝から下は痺れが切れてピリピリジンジンしている状態だ。そこに一期の腕がある。更に歩いているから振動も伝わってくる。つまり痺れの切れた足を刺激されっぱなしなのだ。
「えー、早く治す為にもこのままで良くない?」
ツンツンと乱が横から審神者の足の裏を突付く。
「うぎゃっ、やめて、乱ちゃん」
ビクビクと体を震わせて審神者は目の前の物体に縋りつく。そう、一期の胸板に。
「主殿、お静かに」
そう言いながら、一期は審神者を抱きかかえたまま居間へと向かう。
(いち兄、乱……)
Sっ気のある兄と弟に何も言えず、骨喰は溜息を付いた。審神者の助けを求める目にゆっくりと首を横に振る。自分ではこの2人は止められない。後で薬研と前田に言っておくから。薬研と前田なら2人を正座させてお説教してくれると思う。声に出さず、骨喰は目で審神者に告げる。それを審神者が正しく読み取れたかどうかは判らないが。
その後、まだ痺れの残る足を面白がった宗三や青江に突付かれ、審神者はまた悲鳴を上げることになった。
そして、そんな審神者を見て癒し組は『お膝抱っこは10分まで』と決めたのである。
そんな刀剣男士をにゃんつめ女士は第2の安全座布団大倶利伽羅の膝の上で大欠伸をしながら眺めていた。