Episode:10 部隊再編

 休日2日目の夜は今後の方針説明の合議ミーティング

 こういうときは居間ではなく広間を使う。居間は戦いとは無縁の日常の生活空間。広間は仕事のための空間ってことで、区別をつけてる。

 皆を集めて昼間に歌仙・鳴狐なき君・光忠と作っておいた部隊分けと今度の大まかなスケジュールが記されたプリントを全員に配布する。口頭で説明するだけだと判りにくいし、忘れることもあるだろうし。あとから『聞いてない!』って言われることを防止する意味合いもある。

「明日から部隊分けに一部変更がある。それから今後の進軍計画について説明するね」

 事前にこんのすけに手配してもらったプロジェクターにタブレットを接続し、スクリーンにタブレットの画面が映し出される。それを見て空気が揺れる。というか和む。

「しゅ、主君!?」

「あるじさまぁ!?」

「あら、しまった」

 今、私のタブレットの壁紙は天使画像だ。つい先日歌仙と薬研によって寝室に送り込まれ私を癒しの眠りにいざなってくれた前田まぁ君と五虎ちゃんが、互いに寄り添ってスヤスヤと眠る写真。うーん、可愛い。

「ごめんごめん」

 と言いながら、タブレットを操作し、プリントと同じ画面を映し出す。まぁ、故意犯ですけどねー。

 大画面に映し出された2人は恥ずかしそうにワタワタとしていたが、他はニコニコ。ほっこりと和んでた。刀剣男士は顕現した審神者の嗜好に影響を受けるらしく、うちの刀剣男士は総じて子供好きだ。同田貫や伽羅でさえ短刀にねだられれば一緒に鬼ごっこをするくらいに。

「大将、後でその画像俺っちの端末にも送ってくれ」

 真面目な顔で薬研が挙手までして言う。兄貴、君も大概ブラコンだよね?

「薬研兄!? なんで……」

 オロオロするまぁ君と五虎ちゃんをニコニコ笑って撫でながら、薬研は弟の疑問にはあっさりと答える。

「俺っちの弟が可愛すぎるからな」

「後で送っとくよ、薬研。さて、真面目にミーティング始めるよー」

 部屋の前方にスクリーン、その右に私、私の後ろに歌仙が控え、スクリーンに向き合うように刀剣男士たちが並んで座っている。席次なんて決まってはいない。一応現第1部隊が最前列にいて、後は親しい刀剣男士同士まとまって座っている。

「配布した書面に全部書いてあるけど、説明するね。説明しなかったことも、ちゃんと書面を読んでおくこと」

 歌仙と光忠が1人1人に聞いて分けた家事当番についても書いてあるし。読んでおくように言ったんだから、あとから『知らない』『聞いてない』は通用しないよー。

「じゃあ、まず部隊編成から」

 部隊は3班に分ける。

 第1班:戦場開放班。これは第1部隊のことで、メンバーは歌仙兼定、薬研藤四郎、鳴狐、骨喰藤四郎、堀川国広、燭台切光忠の6人。

 第2班:打刀検非違使対策部隊。山姥切国広、宗三左文字、大和守安定、陸奥守吉行、加州清光、同田貫正国、和泉守兼定、蜂須賀虎徹、へし切長谷部、大倶利伽羅の10人。メンバーを入れ替えながら6人ずつ出陣する。

 第3班:遠征部隊。前田藤四郎、厚藤四郎、愛染国俊、乱藤四郎、今剣、五虎退、平野藤四郎、小夜左文字、秋田藤四郎、にっかり青江、山伏国広、獅子王の12人。錬度と任務条件を見ながら組み合わせを変えて2部隊にする。任務条件によっては第1班や第2班が加わることもある。

「第1部隊は戦場の開放と錬度上げがその任務。明日以降進軍する『戦国の記憶』まで攻略完了したら、一旦先の開放は中断して、錬度を55まで上げる。上がったら『武家の記憶』に進むけど、錬度上げの前に一度、第3班の錬度上げに移行するから、出陣中断になる」

 そう説明すると、遠征部隊から喜んだような声が上がる。まぁ、殆ど戦場に出てないから不満はあるだろうしね。第1部隊の錬度カンストまで出陣の機会はないと思っていたらしい山伏ぶしさんや獅子君は思ったより早く戦場に出られることを喜んでいるようだった。

「第1部隊は3スロ太刀と大太刀・薙刀が来たときには隊員を入れ替える。希望の編成が3スロ太刀1、太刀1、打刀1、脇差2、大太刀または薙刀1だからね。薬研と歌仙に交替してもらう」

「承知」

「了解、大将」

 これは前以て歌仙と薬研には伝えてある。3スロ太刀と大太刀は第1部隊に入れたい。誰を外すかとなったときに真っ先に候補に挙がったのは短刀である薬研。これから先の戦場、特に『戦国の記憶』や『武家の記憶』は短刀には厳しい戦場だ。実際に今、関が原や安土に出陣してるけど刀装の消耗激しいし、本人も自覚してるみたい。だから、薬研も当然だとあっさり受け容れてくれた。その後の『池田屋の記憶』で再度出番が来ると判っているのも大きかったと思う。

 ではもう1人を誰にするか。まず、太刀の光忠は残留。コモン太刀といわれる光忠とはいえ、その能力値は決してレア太刀に劣ってはいない。寧ろレア太刀よりも優れているものも多い。打撃値は太刀単独トップだし、生存値と統率は同率トップだ。既に顕現2日目に特がついて他の第1部隊に錬度も追いついてる。恐るべし、太刀。

 それから脇差2人。彼らは今後のことを考えると出来るだけ錬度を上げておきたい。脇差は短刀と並んで『池田屋の記憶』の主力となる。それに2人の偵察・隠蔽の高さも外せない。この2人がいるかどうかで、索敵の成功率が違うのだ。戦場が進むにつれて脇差の重要性が判る。それに打刀との二刀開眼もあるし。

 二刀開眼といえば、自分の初めての二刀開眼相手が骨喰ばみ君だったことに地味に兼さんがショック受けてたな。『国広が反応してくれなかった』って。堀川、結構歌仙には反応してるんだけど……。因みにばみ君は叔父ちゃんに反応して二刀開眼することが多い。流石仲良し粟田口一家。

 で、光忠・脇差2人が外せないとなると、残りは打刀2人のどちらか。鳴君は本丸最高錬度の誉ハンター。更に脇差たちと同じく池田屋要員(保護者枠打刀)と考えているから外し難い。そう考えていたら、歌仙が自分が外れようと申し出てくれた。自分は初期刀だから主の考えてることもよく判るからね、なんて笑ってくれて、本当に出来た初期刀だと思う。それに刀剣男士の数も増えて戦場も半分をクリアした現在、書類仕事も増えていて、そういう内務? 政務? を主要で手伝う要員も必要だと感じてたらしい。で、今いるメンバーで書類仕事となると、歌仙か長谷部。自分は初期刀でもあるし、文系刀剣男士でもあるから自分が手伝うのがいいだろうと判断したそうだ。

 まぁ、そういうわけで歌仙に外れてもらうことになったけど、彼が外れるのには他にも理由がある。次に進んだときのため。現第3班のうち太刀2名と検非違使対策部隊から1~2名、それから新人で新たな部隊を特付けが終わったころに作ろうと考えてる。第2期第1部隊というか、ドロップ刀剣発掘部隊というか。そのリーダーを歌仙にはやってもらうつもりなのだ。今の第1部隊の誉持ち回り制を作り上げたのも歌仙と鳴君だから、その片割れであり側近である歌仙に任せたい。多分、1ヶ月程度でこの部隊を作ることになるかな。新たな刀剣男士次第だけど。こんな計画立ててても3スロ太刀も大太刀も長物も来なかったら意味ないんだけどね……。

「次に打刀検非違使対策部隊。ここはまず全員の錬度をほぼ揃えることから始める。加州、同田貫、蜂須賀、長谷部、大倶利伽羅はほぼ固定。山姥切、宗三、大和守、陸奥守、和泉守は交代制で入ってもらうよ。回数が少ない分、交代制のメンバーが隊長を務めてもらう」

 この部隊が一番錬度差が大きい。切国と宗三が15、大和と陸奥が12、兼さんが9、加州・同田貫・蜂須賀が7、長谷部と伽羅が5。だから、まずは全員15に揃える。

「全員が錬度15になったら、鳥羽の検非違使に復仇戦だ。明日からは1日3時間、午前に2時間、午後の最後に1時間出陣となる」

 まとめて3時間じゃないのは、厨房担当の都合です、あしからず。

 これまで1日1時間しか出陣できていなかった打刀勢は喜んでいる。尤も実は遠征部隊から外れて小夜ちゃんと隊が分かれる宗三は不満そうだったんだよね。それが判ってたから、宗三にも事前に伝えておいた。小夜ちゃんは池田屋部隊の主力になってもらう予定だってことも。短刀の中では能力値高いからメイン戦力になるだろうし。つまり、小夜ちゃんは池田屋攻略が始まればどんどん錬度が上がっていく(その前に50まで上げるし)から、このままだと追い抜かれて引き離されることになるよと言ったら、渋々受け容れた。やっぱりお兄ちゃんとしては弟よりも遥かに錬度が低いというのは嫌らしい。宗三のほうが1日とはいえ先に本丸に来てるしね。うーん、弟より錬度が低い兄は既に伏さん(堀川27、伏さん5)がいるし、今後一期一振や江雪左文字が来たらそうなるんだけどなぁ。まぁ、一期一振と江雪左文字は先に来たほうが第1部隊確定だけど。これで鶯や鶴の鳥丸コンビが先が来たら笑う。いや、笑えない。弟たち待ってるのに。

「最後に遠征班。さっきも少し触れたけど、第1部隊が『武家の記憶』開放したら特が付くまで錬度上げ。短刀は錬度20、青江、山伏、獅子王は錬度25ね。更に短刀は『池田屋の記憶』の主力になってもらうし、他の3人は新たに作る予定の部隊に入ってもらうつもりでいる。暫くは戦場で戦うよりも後方支援だけど、これも立派な任務だからよろしく頼むね」

 そう、遠征は決してお散歩のお気楽外出じゃない。物見遊山でもない。諜報活動や護衛任務・哨戒任務なのだ。遠征で得た情報によって次の敵の狙いが判ることもあるというし、遠征任務によって歴史改変が防がれることも多い。今後は一時的に第1部隊のメンバーが加わることもある。刀種条件やレベル条件を満たすために。

「じゃあ、ここまでで質問は?」

 そう言って皆を見渡せば、長谷部の手が挙がる。

「長谷部」

「はい。何故、検非違使対策部隊は打刀のみなのでしょう。太刀や脇差も加えたほうが攻撃の多様性も出るのではありませんか?」

 指名すれば長谷部は立ち上がってそう問うてくる。うん、疑問を持つこと意見を言えることはいいことだ。本当ならこの質問、当事者の太刀か脇差から出してほしかったところだけど。

「これは先人たる先輩審神者が最も効率がよいと判断した編成なの。まずこの編成の鍵となるのは特上投石兵を2つ装備できること。太刀は確かに打撃値も生存値も高いけど、機動と偵察では打刀のほうが上だし、何より作戦の根幹である投石兵の装備が出来ない。投石兵2を積める脇差の場合、機動と偵察、打刀との二刀開眼は魅力だけど、生存値の低さは否めない。だから、機動と偵察で太刀に勝り、生存値と打撃値で脇差に勝り、投石兵を装備できる打刀のみで編成する。遠戦である程度敵勢力を削いで、機動を活かして素早く敵を屠る。元太刀である和泉守、同田貫と大倶利伽羅は生存も打撃も高い分、主力として期待してる。明日からは江戸で錬度上げと投石兵の扱いに慣れてもらうからね」

「──主命とあらば」

 納得したように長谷部は頷き座る。そのとき隣にいる加州の若干不満そうな表情が目に入った。ん? 何を不満に思ったのかなと思えば、チラリと加州が兼さんを見た。ああ、そういうことか。元太刀組だけ名指しで『期待してる』って言われたのが羨ましいのか。特に兼さんは同じ新撰組刀剣男士仲間だしなぁ。

「加州、大和守にはかの天才剣士沖田総司譲りの鋭い剣捌きを期待してるよ」

 そう言うと、加州の表情がパッと輝く。超判りやすい。可愛いといえば可愛いよね。

「任せてよ、主!」

「期待には応えないとね」

 大和も嬉しそう。大和は相棒の加州に比べると喜怒哀楽が判りにくい。その大和が『嬉しそう』って判るんだから、あれは相当喜んでるってことか。

「山姥切、長谷部はその速さで先手を取ってほしい」

 『どうせ写しの俺なんて』と内心ネガティブ発動してたらしい切国も名指しされて頬が緩んでる。長谷部は『はっ』と返事をして頭を下げてるし。長谷部ってまさに『忠臣』を体現してる存在だよね。一部審神者間では『社畜』と言われてるらしいけど、うちではそこまでではないなー。私が『社畜』とは全く違ったせいかな。ブラック企業だったけど、割り切ってたもんな。30歳前には転職してやるーって。まさにその通りのタイミングで審神者に転職したわけですけど。

「陸奥守の視野の広さ、蜂須賀の冷静さ、宗三の洞察力も重要。3人の働きによって被害の大きさも変わる。頼むよ」

 打刀の中では精神的大人の3人も嬉しそうに頷いた。宗三が大人って、打刀どんだけガキなの。因みに打刀で一番精神的に大人なのは鳴君だと思う。まぁ、実年齢も打刀の中では最年長だしね。でも私の年齢設定では19歳で伽羅と同じ歳扱い。打刀最年少設定は大和と加州の18歳高校3年生。なんか、あの2人のノリって普段は高校生っぽいんだよね。2人だけだと男子高校生よりも女子高生っぽいのはなんでだろう。まぁ、普段は女子高生でも戦場では立派な戦士だから問題はない。

 すっかり機嫌を直した打刀を見ながらこっそり溜息を漏らす。人を動かす、モチベーションを上げるって大変だな。

 ふと視線を感じて目線を向ければ、最前列にいた薬研が声に出さず口の動きだけで『ご苦労さん』と伝えてきた。だから、お前本当に短刀かよ!!

 はぁ、んっとに打刀は面倒臭いのが多い。鳴君が癒しだわ。

「じゃあ、明日から本丸稼動2週目。ガンガン行くから皆よろしく!」

「応!!」

 全員の声が揃う。うん、面倒なのもいるけど、中々本丸の出だしはいい感じじゃないかな?






 本丸稼動8日目。いつものごとく鍛刀3回。太刀・大太刀・薙刀狙い。鍛刀時間は1:30:00、2:30:00、1:30:00。これは大太刀来るかも! 蛍丸君ならいいな。

 それから今日はまぁ君と刀装作り。投石兵レシピで何度も回す。取り敢えず投石兵上7個、並12個、軽歩兵特上3個が出来たところで終了。当面は検非違使戦じゃないから、上と並でもいいだろう。

 そして出陣。錬度15の切国と宗三は後回しにして、まず大和を隊長にして『江戸の記憶』の江戸へ出陣。うん、笑った。だって、遠戦で敵4体破壊だもん。投石兵コワっ。誉は加州だった。攻撃順は回ってこなかったんだけど、多分加州の投石兵の命中率が良かったんだろうな。はしゃぐ加州の声が大和のインカム越しに聞こえてきた。あれ、そういえば戦闘中の声は隊長以外も普通に聞こえるな。うーん、色々と謎な技術だらけだわ。

 江戸では本陣に行かず帰還を繰り返し、出陣ごとに隊長を大和・陸奥・兼さんと交替する。2時間の出陣で隊長が4巡したところで午前打刀部隊の出陣は終わり。午後の1時間は切国と宗三が隊長になる。

 それから今度は第1部隊の出陣。今日大太刀が来れば薬研はこの時間で第1部隊から外れることになる。

 安土をクリアして『戦国の記憶』が開放される。長篠を進むけど、なかなか苦戦気味だ。何がって、賽子さいころ運!! 悉くルートを外れて1戦しかせず冷却材が貯まる。

「大将……」

「主……」

 帰還するたびに歌仙と薬研の視線が痛いです。

 うん、ここはこのルート以外なら必ず本陣に辿り着けるんだよね! しかもボスまでに4~5戦できるんだよね! 本当なら出陣し甲斐のあるマップなんだよね!! ごめんなさーい!!

 ううっ。ここは大太刀がいれば必ず本陣に繋がるルートに進めるのに! 鍛刀、大太刀でありますように!! 蛍丸君カムー!!






「……おや。現世に呼ばれるとは。私は太郎太刀。人に使えるはずのない実戦刀です」

 待望の大太刀キター! 蛍君じゃなかったのは残念だけど。よく考えたら蛍君、レア度4。うん、愛君、時間かかりそう、ごめんね。っていうか、2時間半の時点で蛍丸君はなかった。大太刀は皆2時間半って勘違いしてたよ……。

 しかし、太郎たろさん、顔立ち綺麗だなぁ。美人さんだ。そして、でっけぇな!! これまでいたメンバーでは180センチ台後半の光忠・兼さんと伏さんが大きかったんだけど、太郎さん、2メートルくらいあるんじゃないか? 大きい!!

 で、早速第1部隊に加わってもらい、太郎さん隊長固定で長篠へ。大太刀入るとルートが半固定されるから本陣まで確実に行ける。でも戦闘班リーダー鳴君の判断で本陣前で帰還してきた。初陣で長篠本陣はきついだろうということらしい。うん、私もそう思う。だから、あと2回本陣前で帰還し、その次でボス戦をやるように指示した。そうすれば錬度10を確実に超えるから。

 午後の4時間は三方ヶ原まで進んで終了。ずっと太郎さん隊長のまま。光忠は既に歌仙たちのレベルに追いついてるし、太郎さんが追いつくまではずっと隊長。大太刀の広範囲攻撃ゆえに既に誉も取れるようになってるから追いつくのも早そう。歌仙たちもそれが判ってて太郎さんに隣り合う敵が回るように攻撃してたし。太郎さんの機動の低さゆえに取れる手なんですけどね!

 そして、午後のラスト1時間は再び打刀部隊。3戦目に彼らは脇差をドロップしてきた。

「俺の名前は鯰尾藤四郎。燃えて記憶が一部ないけど、過去なんか振り返ってやりませんよ!」

 粟田口のもう1人の脇差だった。これで入手しやすい粟田口は全員揃った。博多は今はどうやっても呼べないから、あとは一期一振だけ。

 鯰尾ずお君はばみ君とよく似てる。色合いは対照的だけど。歳も同じくらいだし、双子の中学3年生設定な感じで。

 早速ずお君は兄弟に囲まれてた。

 総勢30人。短刀・脇差・打刀は入手に条件のあるメンバー以外揃ったことになる。






 検非違使対策部隊育成開始から3日目。全員の錬度が15で均等になったところで、特上投石兵12個プラス予備6個も作成できた。これはずおばみツインズのお手柄。馬小屋当番を任せると何故か馬糞を集めるずお(なんか、『ずお君』って感じじゃないから君つけなしにした)。嫌いな奴に投げる! と言ってたけど、本丸で被害に遭った者はいない。良かった、ずおは皆のこと好きなんだね。でも、遠征に持っていこうとするのは止めなさい。遠征先で敵に投げようとするのも止めなさい。投石兵に馬糞持たせようとしないで! 投石兵の妖精さん困ってるでしょ!! 馬糞は投石兵の石じゃありません。

 そんな『投げる』ことを好むずおだったせいか、投石兵作りは巧かった。

 で、いよいよ検非違使リベンジ。前回ボロボロにされた大和、陸奥、加州、同田貫、蜂須賀に加えて兼さんで鳥羽へ。金投石兵の威力は凄かった。前回は錬度低かったのもあるとはいえ、敗北一歩手前のC勝利だったのに、A勝利。よくやった! 誉はリベンジに燃える同田貫が取った。

 それからは午前中に検非違使対策部隊が検非違使5戦をやることにした。2時間の間に5戦できなければ午後にもう1時間。5戦したら2時間経ってなくても終了。検非違使戦は結構消耗するからね。刀装も刀剣男士の生存値も私の気力も。

 流石に検非違使相手だと無傷というわけにも行かなくて、帰還したら直ぐに手入れ部屋。手伝い札を使って即完了。手入れの間に第1部隊出陣と考えてたら、同田貫が『続けて出陣する! 勢いが大事だ!!』とか言ったんで、帰還→手入れ→出陣のルーティンにしてる。刀剣男士たちのモチベーションって大事だしね。

 今は検非違使マークをつけた鳥羽と大坂を回ってる。投石兵部隊凶悪すぎて乾いた笑いが出てしまう。

 打刀投石部隊作ったのは成功だったな。先輩方、ありがとうございます! 何より今まで『出陣させろ』と五月蝿かった同田貫が何も言わなくなったしねー。主張すれば意見が全て通ると思われても困るし。運営方針ってのがあるからなぁ。出来る限り刀剣男士の意見も取り入れていきたいとは思ってるんだけどね。

 ああ、なんか、前線指揮官っていうより、中間管理職って感じがするな。