3日目も特筆すべきことはなく無事に終了。鍛刀で来てくれたのは小夜左文字、秋田藤四郎、堀川国広。ドロップで来てくれたのが骨喰藤四郎、大和守安定、陸奥守吉行。新たな刀種として脇差が加わってくれたのは嬉しい。そして、その脇差2人が中々の美少年で更に嬉しい。骨喰藤四郎は寡黙な、堀川国広は明るい感じの、それぞれタイプの違った美少年だ。うん、基本刀剣男士って顔立ち整ってるけどね。
どんどん粟田口が揃っていってる。残る粟田口は3人。他の刀剣男士も家族が来てる。小夜左文字も宗三の弟だし、堀川国広は切国の兄だそうだ。え、兄!? いや、どう見ても弟! 作られた時期的には兄なんだろうけど、ここでは年齢設定は弟にさせてもらう。扱いは兄だけど。
うん、3日目も
新たに来たメンバーには先に来ているメンバーが色々教えてくれてるからとても助かる。ここでの生活のことも出陣方針も。ある程度人数揃ったら、改めて出陣方針は私の口からも説明しないとな。堀川は炊事班のお手伝いしてくれるし、
というか、見た目の幼い短刀たちは実年齢でいえば寧ろ打刀勢より年長なんだよなぁ。
出陣に関しては『維新の記憶』の最終地・鳥羽をクリアして『江戸の記憶』を開放できた。部隊編成も暫定的な主力部隊とそれ以外に分けてる感じ。どう部隊編成して育成していくのか迷ってるんだよね。まだ18人だから確定するには早いし。それでも取り敢えず、歌仙・鳴君・堀川・ばみ君・薬研・厚の打刀・脇差・短刀各2で主力部隊編成。残りも2部隊組んで3部隊交互に出撃して錬度上げしてる。
夕食(今日も歌仙と薬研が中心になって作ってくれた)を終え、明日の部隊編成を伝える。尤もこれは午前中の部隊だけなんだけど。午後は鍛刀+午前のドロップでやって来たメンバーを加えるから編成変わるし。そういえば、今のところ新人さんは午前中にしか来ないな。午後にもドロップはあるけど、全部既にいるメンバーで被ってるし。うーん、不思議。まぁ、編成しやすいからラッキーだけど。
「午前中の第一部隊は歌仙・薬研・厚・鳴狐・骨喰・堀川の6人ね。それから、交替部隊として、前田・愛染・乱・今剣・大和守・陸奥守の6人と、山姥切・五虎退・宗三・平野・小夜・秋田の6人。午後は来たメンバーをみて決める」
これで18人全員一度は出陣できる。1時間ずつは出てもらう予定。因みに普段はニックネーム呼びしているメンバーも、仕事の指示を出すときは銘または号を呼ぶようにしてる。公私のけじめは大事だよね。
「はい、じゃあ解散」
パンパンと手を叩いてそう告げれば、各々好きなことをするために散って行く。が……1人不安そうに──というよりも呆然と座ってる子がいた。そう、五虎ちゃん。それを心配して、粟田口皆が集まっている。
「五虎ちゃん、どうしたの?」
近づき正面に座って、顔を覗きこめば、半べそ状態。うん、可愛い……じゃなくて!
「あの……僕……」
ぎゅっと子虎を抱き締めながら涙目で五虎ちゃんは私を見上げてくる。抱き締めたいくらい可愛いけど、今は我慢。
五虎ちゃんは何をどう言えばいいのか迷っているみたいで、中々言い出せない。いや、違うな。五虎ちゃんは気弱なところがあるから思っていることを中々口に出すことが出来ないんだよね。まだ顕現して2日目だけど、大体性格は判ってきてるから、多分間違いないはず。
中々言い出せない五虎ちゃんを見かねて
「どんなこと言っても怒らないから、言ってごらん? 五虎ちゃんが自分で言わないと判らないよ」
出来るだけ優しい声で言う。8年近く幼稚園児から中学生の相手をしてきたんだ。子供の相手は慣れてる。
「怖い、です。僕、戦うの怖いです。今日までは薬研兄も乱兄も鳴叔父さんもいてくれたけど……明日はいないから、怖いです」
うるっと涙を滲ませて、それでもはっきりと五虎ちゃんは自分の口で告げる。よく出来ました、五虎ちゃん。
「そっか、怖いか」
よく言えたねと頭を撫でながら言えば、五虎ちゃんはコクンと頷く。刀剣なのに戦うのが怖いと言えば怒られると思ったのだろう。周囲に集まっているメンバーもそう思っているのか、何処か不安そうな表情をしている。
「戦いが怖いと思うのは、いけないことじゃないよ。私だって怖い。でも、五虎ちゃんは怖くても逃げずにちゃんと戦ってるじゃない。偉いよ」
五虎ちゃんは『偉い』と言われたのが不思議なようできょとんとした表情で私を見上げる。
「戦いは命の遣り取りをする場だよ。命を持つ者ならきっと誰だって怖い。自分が死んじゃうことも怖いし、自分が誰かを傷つけることも怖い。それは誰もが持つ、当然の怖さだと思うんだ」
そんなふうに言えば、周りに集まっている年長の刀剣男士たちも頷く。
「たまに怖がらない人もいる。それはその恐怖を克服したか、そもそも恐怖を感じないか。恐怖を感じないってのは逆に危ないんだよね」
恐怖どころかそれに愉悦を覚える狂人だっている。そんな特殊事例は別としても、恐怖を感じてないってことは、戦いが命の遣り取りだってことを理解していないんじゃないかと思う。だから、戦える。
「五虎ちゃんはそれを感じ取ってるから、きっと怖いんだね。でも、戦ってる。だから、偉いよ」
怖がっててもいいんだよ、悪いことじゃないんだよ、そう言って頭を撫でる。
「あー、新撰組にもいたなぁ。新入隊士は大抵戦いが終わった後に気付くんだよね。戦うってことは互いの命を懸けてのやり合いなんだってことに」
新撰組沖田総司の刀である大和が言う。懐刀である短刀や家宝や重宝として鑑賞メインになってた刀剣よりは実戦でたくさん人を斬ってきたであろう、大和。
「ですねー。土方さんも苦労してました。自分で希望して入隊しておきながら怖いって逃げ出そうとする奴もいたし」
同じく新撰組、鬼の副長土方歳三の刀・堀川も頷く。この戦いに協力をしてくれている刀剣の中で最後まで実戦で使われた刀は彼とまだここにはいない和泉守兼定だろうな。最後まで実戦刀だった彼らの言葉には重みがある。
「でも……僕は『人間』じゃないです。刀剣です。武器なんです。なのに戦いが怖いなんて……」
また五虎ちゃんは俯いてしまう。
「刀剣だけど、今は『刀剣男士』だよね。人の肉体を得て、刀剣男士としての個を得た。『人間』ではないけど、『人』だと思うな。人なら、命を失うこと命を奪うことへの恐怖を持つことは当然だよ」
彼らは刀剣ではあるけれど、ただの刀剣ではない。今は刀剣男士として、心と体を持ち、個を持ち、刀剣時代とは違った命を持っているのだ。
「ねぇ、五虎。ボクらも怖いよ。戦いに出ることに高揚したし、戦っていればああボクらは刀だなぁって思う。でもね、敵を斬ったとき、刀だったときには感じたことのない、怖さがあった。本体を通じて手になんか嫌な感じが伝わってきた。ああ、これが肉の身を得たってことなんだなぁって思ったよ」
「ああ……そうだな。刀だったときには感じたことがねぇ。命ってモンを感じたんだろうな」
「ありゃあ嫌なもんだったな。けどな、五虎。そこで立ち止まっちゃいけねぇんだ。お前もそれが判ってるから、怖くても戦ってるんだろ?」
乱ちゃん、厚、薬研が言う。頼れるお兄ちゃんたちの言葉に五虎ちゃんは目を見開く。
「薬研兄たちも、怖いんですか……?」
「怖いよ」
そう言ったのは兄ではなく叔父。誉ハンターとして一番武勲を立てている叔父の言葉に更に五虎ちゃんは目を見開く。目が零れ落ちるよ、五虎ちゃん。
「でも、叔父ちゃんやお兄ちゃんたちは戦ってる。きっと、可愛い甥っ子や弟を守りたい気持ちもあるんだろうね」
弟に無様な姿を見せたくないお兄ちゃんのプライドもあるだろうし。強ち間違ってなかったみたいで、叔父と兄は笑ってる。
「五虎ちゃんもお兄ちゃんなんだから、弟たちを守らなきゃね」
撫で撫でしながら言う。ヤバイ、撫で撫でする手が止まらない。撫で過ぎて五虎ちゃんの頭髪がヤバいことにならないといいけど。手入れで治るかな。
「僕が……お兄ちゃん?」
その気質から弟扱いされるのが常の五虎ちゃんは不思議そうに言う。
「うん。私が勝手に皆の人間年齢決めてるの。見た目とか、言動でね。で、五虎ちゃんはまぁ君とひぃ君と
粟田口兄弟というけど、短刀たちの兄弟関係ははっきりしない。脇差のばみ君は短刀のお兄ちゃんというのは察せられるけど。あと、厚以外は薬研のことを『兄』と呼んでるから薬研と厚が短刀では最年長かなというくらい。その次は乱ちゃんかなーって感じで、他の4人はよく判らない。それは当人たちも同じらしく、下の4人はひとまとめに『弟』区分になってるっぽい。
「そういや大将は何となく俺っちたちの歳を決めてるっぽいな」
「うん、決めてる。粟田口の中で一番末っ子が秋君、次がまぁ君とひぃ君、それから五虎ちゃん。一番上が薬研と厚で、次が乱ちゃんだね。因みに薬研と厚、まぁ君とひぃ君は双子だと思ってる」
「オレと薬研が双子かー」
「あー、なんか判るかも。薬研兄も厚兄もどっちが上でどっちが下ってないし」
「僕とひぃが双子というのは……ひぃのほうが確りしてますし」
「でも、僕たち似ていますから、そう見えるのでしょう」
私の発言に短刀たちはワイワイと話し出す。
「明日の出陣では、五虎ちゃんはその弟たちと一緒だよね。五虎ちゃんがお兄ちゃんなんだから……」
「僕がお兄ちゃんだから、まぁもひぃも秋も守ります!」
私が全部言う前に、五虎ちゃんが力強く言う。目がキラキラしてる。あれかな、五虎ちゃんにとって『お兄ちゃん』は頼りになる憧れの存在だったりするのかな。まぁ、確かに薬研も厚も乱ちゃんも漢前だもんなぁ(乱ちゃんの恰好は別として)。ばみ君だって無口だけど一歩引いたところから身守ってる感ありまくるし。
「だったら、僕たちは弟として五虎退……五虎兄さんを手助けします!」
「うん、さぽーとします、五虎兄さん」
「それが弟の役目です、五虎兄さん」
我が本丸では五虎ちゃんの弟確定したまぁ君、秋君、ひぃ君が五虎ちゃんに語りかける。
「僕……お兄ちゃんとして頑張ります!」
さっきまでの半べそ顔が嘘だったかのように、キラキラした笑顔で五虎ちゃんは力強く宣言する。それを周りの大人は微笑ましげに見てる。切国、あんたもそんな顔するんだね。
「あるじさま、ぼくはなんさいですか!」
それまで黙って見守ってた
「どうせだから、全員言っちゃおうか。よし、年齢順に発表するぞー」
幸い全員いるし、ちょうどいいや。皆ノリがいいのか、楽しそうに頷いてるし。
「まず、最年少は今ちゃん。7歳! 7歳ってのは現世の小学校1年生ね。えーと、寺子屋に通い始める歳だね」
「むぅ、ぼくがいちばんとししたですか。ぼくいちばんおじいちゃんなんですけど」
ちょっとむくれながら今ちゃんは言い、何故か移動して私の右隣に座った。
「同じく7歳設定なのが小夜ちゃんと秋君」
そう告げると、小夜ちゃんと秋君が手を繋いで今ちゃんの横に座った。何それ、可愛い。
「次に8歳がまぁ君とひぃ君。2人は双子と思ってる」
そしたら、また2人が手を繋いで秋君の隣に座る。年齢順に座ってるのか。可愛いな、ノリいいな。
「愛君が9歳、五虎ちゃんが10歳で、乱ちゃん11歳」
「おー、オレ9歳なのか」
楽しそうに言いながら愛君はひぃ君の隣に座り、五虎ちゃんと乱ちゃんもそれに続く。
「短刀残り2人の薬研と厚は12歳、双子だね。小学校の最高学年になるよ」
短刀の最年長。これには皆が納得してる。厚が薬研を引っ張り、これまた乱ちゃんの横に座る。
「脇差は、ばみ君が15歳。中学3年生。あ、中学校っていうのは小学校を卒業した後に行く学校ね。3年生はその最上級生」
「元服、したころか」
頷きながらばみ君も薬研の隣に座る。なんだかんだとばみ君付き合いいいよな。
「それから、堀川は16歳、高校1年生。高校は中学を出た後に通う学校ね。藩校とかそんな感じ」
「僕は元服済みですね!」
嬉しそうに堀川は言う。ああ、元服してれば大人だもんな。
「因みに現世では20歳から大人です。まぁ、高校生は半分大人、半分子供みたいに扱われることが多いかな」
そう付け加えると堀川はちょっと複雑そう。子供扱いは嫌か。だろうな。
「で、次は大和。18歳、高校3年生。ここまでくると結構大人扱いが多いかな。高校3年生は高校の最上級生ね」
「へー、もうちょっとで大人って奴か」
大和も子供括りに入ることはちょっと嫌そうだけど、文句は言わなかった。まぁ、言われても変える気はないけど。
「続いて、鳴君19歳。大学1年生。皆が知ってる大学寮とは違うからね。高校を卒業した後希望する人が4年間専門分野を学ぶところだよ。大学を卒業すれば働いて自立することになるんだ」
「ほほう! 鳴狐は
お付の狐に引っ張られるように鳴君は大和の隣に座る。因みに堀川もばみ君の隣、大和は堀川の隣にちゃんと座ってる。ホント、皆付きあいいいな。
「切国と宗三は同じ歳設定ね。21歳、大学3年生。年齢は成人年齢に達してるけど経済的には自立してなくて親に面倒見てもらってるってとこ」
「僕と切国が同じ歳……ですか」
「なんでコイツと……」
それは面倒臭さが似てるからです。
ノリのいい宗三が切国を引っ張って鳴君の隣に座る。
「この流れからいうと、僕たち2人は自立している大人ということになるのかな?」
「そのようじゃのう。さて、どっちが年上になるんじゃ」
残った2人はそんな会話をしてる。
「24歳、社会人2年目設定は歌仙。ちょっと感情的になるところがまだ若いなーって感じ」
「おや、僕が陸奥よりも下か。感情的か……僕もまだまだ雅じゃないね」
納得したように歌仙は切国の隣に座る。まぁ、今の24歳と歌仙たちの主が生きていた時代の24歳じゃ全然違うしなぁ。精神年齢は+20歳くらいな感じじゃないだろうか。
「で、現在の最年長扱いの陸奥は26歳かな。懐深い感じが20代後半って印象」
「ワシが最年長か! それもええのう」
陸奥のこういう懐深くておおらかなところが20代後半に差し掛かってる感じなんだよねー。ニッコニコと笑いながら陸奥が歌仙の隣に座る。私の右に18人が座っててなんか凄いことになってる。
「ほんとうはさいねんちょうのぼくがさいねんしょうで、さいねんしょうの陸奥がさいねんちょうなんですね」
あ、そう言われてみればそうか。確か陸奥は江戸初期生まれ。この中では大和と同じく最年少だわ。
「まぁ、見た目とこの3日の言動を見て直感で決めたからね」
笑いながら今ちゃんの頭を撫でれば、今ちゃんは気持ちよさそうに、まるで猫みたいに目を細める。こういうところが最年少なんだよね。勿論、身長のせいでもあるけど。
「いいです! いちばんとししたなら、あるじさまにあまえます! 小夜、秋、いきますよ!」
「う、うん」
「はい!」
今ちゃんの号令? で3人が一斉に抱き付いてくる。何これ可愛い(何度目だ)。
でも……次の発言は可愛くなかった。悪気はなかったと思うんだけどね。
「あるじさまはなんさいなんですか?」
女性に歳を聞くものではないよ、今ちゃん……。
「あー、陸奥より上だね」
それに驚いたように全員が私を見る。
「主、ではご夫君やお子を置いて本丸に来たのかい!?」
「ええ!? それじゃ主さんのお子さん、お母さん恋しがってるんじゃ」
待て、歌仙、堀川。夫や子供がいる前提で話すな。まぁ、確かに26歳以上なら、彼らの常識では結婚して子供いるよね……。
「あー、私結婚してないから」
そう告げれば、更なる衝撃を刀剣男士たちは受けたようだった。うん、彼らの常識からすれば、26歳以上にもなって結婚していないとなればそれ相応の理由があることになる。体に不具合があるとか、咎人の家族で結婚できないとか……。
「言っとくけど、現世じゃ珍しいことじゃないからね? 22歳まで学校に通って、大抵の女性は働きに出る。現世では女性でも男性と同様に仕事をするの。同じような働きをするの。そうすると、30歳を過ぎても結婚しない女性も多いんだよ。私がいた時代だと、平均初婚年齢が28歳なんだよ」
過ぎてるけど……。
「なんと、現世ではそがいなことになっちょるがか……」
陸奥が呆然と言う。そんなに驚くほどのことなのか……。でもさ、社会に出て仕事始めればそんなもんでしょ。昔は24歳を過ぎれば女は売れ残りのクリスマスケーキなんて言われた時代もあったけど(私が子供のころはそう言われてた)、今じゃ20代後半になって漸く結婚を意識する人が多いんじゃないかなぁ。
「だから、夫や子供を残してきてるわけじゃないから心配しなくていいよ。事情があって結婚できないわけでもないんだし。仕事に一所懸命だったから、出会いがなくて結婚してないだけ!」
なんでこんなことを言わなきゃいけなんだ(涙)。まぁ、ほぼブラック企業で朝から深夜まで働いてれば出会いなんてないしねぇ……。同僚は、うん、無理。ブラックに染まってる上司や先輩か疲れ切ってる先輩・同期・後輩しかいないんだから、とてもじゃないけどソレらと恋愛とか有り得ない。
「僕たちで主のご夫君候補を見つけますか……このままでは主は確実に
「そうだね! 花の命は短いんだから、あるじさんに素敵な旦那様見つけてあげないと!」
何張り切ってるんですか、宗三と乱ちゃん。君たちの役目は歴史修正主義者と戦うことであって、私の結婚相手を探すことじゃありません!
「結婚相手は自分で探す! っていうか、審神者やってたら結婚できないからね? 私を結婚させたいなら、相手見つけるよりも戦争終わらせようよ」
あなたたちの役目は、戦いです!!
「それもそうだな。よし、大将が嫁き遅れないうちに戦いを終わらせるぞ」
「そうですね、主の幸せな結婚のためにも、一日も早く戦いを終わらせなくては!」
薬研、ひぃ君、そんなに斜め上な理由で頑張らないで。
「でも……戦いが終われば主君とはお別れなんですよね」
ポツリと寂しそうに言ってくれたまぁ君が癒し!!
「うーん、長期戦は覚悟してるからね。直ぐにお別れってことにはならないよ」
まぁ君に癒されながら頭を撫でる。この戦争が1年や2年で終わるとは思えないし。
「そうなると確実に主の婚期が遅れるね……」
だから、歌仙、いい加減そこから離れよう!
「あーもう、私の結婚の話はいい! 結婚は縁なんだから、縁があれば審神者であってもするだろうし、縁がなければ早く戦争が終わっても結婚しない。それだけだから!」
家族にすら言われない『結婚しろ』を刀剣男士に言われるとは思わなかったよ……。
五虎ちゃんの『戦うの怖い』からとんでもないところに話が着地したな……。
「歌仙、鳴君、明日の打ち合わせするから後で執務室来て。ほら、散った散った。解散~!」
これ以上何かを言われる前に解散してしまおう。
はぁ、疲れたよ……。